検札

検札（けんさつ）とは

検札とは、日本の有料道路で行われる通行券の点検業務を指します。その主な目的は、不正通行を防ぐことや転回走行の確認、通行券の交換を行うことです。検札業務は、特に上下集約式のサービスエリアが多くなる1970年代から重要性を増し、今日でも特定の施設で運用されています。

検札所の設置背景

日本の高速道路では、特に1980年代において異なる形式の通行券が混在するようになりました。例えば、北陸自動車道で使用される磁気カード形式の通行券と、名神高速道路などで使用されるパンチカード形式の通行券が並存していました。これにより、通行券の交換が必要となり、米原JCT付近に検札所が設置され、通過車両に対して通行券の交換が行われました。しかし、後に両システムは統一され、通行券交換の必要性は減少しました。それにもかかわらず、不正通行を防ぐ目的から検札所は引き続き存在し続けました。

不正通行防止の取り組み

日本道路公団（当時）は、1970年代より不正通行を防ぐため、対策を講じてきました。不正通行の手段としては、上下集約式のサービスエリアでの通行券の不正交換や偽装が多く見られました。1985年の時点で、推定される損失額は40億円を超え、その規模は無視できませんでした。これを受けて、道路公団は上記の対策に加えて、本線上での検札所を設置し、全ての通行車両を止め、適正な通行券を保持しているか確認する体制を整えました。

これにより、運転手は通行券に印刷される情報から、本線料金所の通過時刻や進行方向を把握でき、不正交換を抑制することが期待されました。今回新設された検札所は「本線料金所（検札）」として知られることになり、運用されました。

検札業務の変遷

ただし、通行券のシステムが進化し、ETC（電子料金収受システム）の導入と普及が進むにつれ、不正アクセスによる通行券の不正交換の機会が減少しました。このため、検札所の必要性が徐々に低下し、2007年には全ての本線上の検札所が廃止されました。廃止の理由には、検札要員の人件費や、全車両を一時停止させたことによる渋滞の原因となったことなどが挙げられています。

折り返し走行の記録目的

現在でも特定のサービスエリアやパーキングエリアでは、折り返し走行が可能です。これらの施設では、出発IC方向への戻り運賃を一括徴収するために、折り返しの事実を記録する目的で検札所が設けられています。これらは「料金所（検札所）」や「チェックゲート（Check Gate）」として知られています。

現在の検札所

現在稼働中の検札所は以下の通りです：

• - 道央自動車道: 砂川SA内（上り線側のみ設置）
• - 神戸淡路鳴門自動車道: 淡路第二料金所（淡路SA内で転回可能）
• - 瀬戸中央自動車道: 与島料金所（与島PA内で転回可能）

まとめ

検札は日本の有料道路において不正通行防止のための重要な役割を果たしてきました。時代の変化とともにその役割は変わり、必要性が減少しましたが、特定の施設では今なお広く運用されています。これにより、利用者にとって安心して道路を利用できる環境が整えられています。

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