楠根宗生

楠根宗生（くすね むねお）は、1901年10月25日に大分県中津市で生まれた日本の実業家です。1931年に京都帝国大学経済学部を卒業後、翌1932年に西日本鉄道の前身である九州電気軌道に入社しました。

西日本鉄道では、庶務課長、総務部長、取締役などの要職を歴任し、1963年に社長に就任しました。同時に、西鉄ライオンズ（現在の埼玉西武ライオンズ）のオーナーにも就任し、球団経営にも携わりました。

しかし、社長在任中の1969年から1970年にかけて、プロ野球界を揺るがす黒い霧事件が発生しました。西鉄ライオンズもこの事件に関与しており、チームの八百長行為が発覚しました。楠根はこの事件の責任を取り、1970年に社長と球団オーナーを辞任しました。後任の社長には吉本弘次が、球団オーナーには木本元敬が就任しました。

楠根は、その功績が認められ、1966年に藍綬褒章、1973年には勲二等瑞宝章を受章しています。西日本鉄道の発展に大きく貢献した人物として、その名は記憶されています。

1989年8月10日、楠根宗生は肝不全のため、福岡市の福岡大学病院で亡くなりました。享年87歳でした。

楠根宗生の生涯は、激動の時代とともにあり、その中で彼は実業家として、またプロ野球チームのオーナーとして、大きな足跡を残しました。その功績は、西日本鉄道の歴史、そしてプロ野球の歴史の中で、語り継がれています。

参考文献

『現代物故者事典　1988-1990』日外アソシエーツ、1993年
西日本鉄道株式会社100年史編纂委員会（編）『西日本鉄道百年史』西日本鉄道、2008年

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