楡 (樅型駆逐艦)

駆逐艦 楡 (初代)

概要

楡（にれ）は大日本帝国海軍の駆逐艦で、樅型駆逐艦の3番艦に当たります。この艦は、同名の橘型駆逐艦「楡」と区別するために「楡 (初代)」や「楡I」とも表記されます。初代楡の艦歴や艦長に関する情報は、海軍の公式記録から長く保存されてきました。

艦歴

楡は1919年9月5日に呉海軍工廠で起工し、同年の12月22日に進水。1920年3月31日に竣工し、以降の艦齢を迎えました。1932年には第一次上海事変に参加し、揚子江水域での作戦に従事しました。この歴史的な出来事は、日本海軍にとって重要な局面となりました。

1940年2月1日、楡は除籍され、同年の10月15日には海軍航海学校付属の練習船として、雑役船に編入されました。この時点から、艦名を第一泊浦（だいいちとまりうら）に変更しました。また、1945年には横須賀突撃隊の母艦として使用されました。最終的に1948年8月15日に解体が終了し、艦としての歴史に幕を閉じました。

艦長

艦の運営を担った艦長には以下のような歴任者がいます。

• - 彭城昌国 少佐：1919年12月24日から1920年2月6日まで艦装員長を務め、その後駆逐艦長へ就任。
• - 岩村清一 少佐：1921年12月1日より2年間務め、後に他の艦長へバトンタッチ。
• - 渋谷荘司 少佐：1922年5月から6月中旬まで。
• - 山本弘毅 少佐：1922年6月16日から12月1日まで。
• - 木幡行 少佐：1922年12月1日から1923年5月1日まで。
• - 佐野哲 少佐：1924年5月1日から1925年4月15日まで指揮。
• - 続く艦長には、志賀忠一、佐藤慶蔵、山本正夫、高次貫一、荘司喜一郎、藤田友造、大尉や少佐など、さまざまなスキルを持つ指揮官が在籍しました。

このように、艦長の歴任者たちは、それぞれの任期において艦を指揮し、多くの任務を遂行してきました。彼らのリーダーシップが、艦の歴史を支えてきたのです。

参考文献

艦の詳細な歴史は、以下の文献により記録されています。

• - 海軍省 編『海軍制度沿革 巻十の1』 (明治百年史叢書)
• - 海軍歴史保存会『日本海軍史』
• - 片桐大自『聯合艦隊銘銘伝』
• - 日本舶用機関史編集委員会/編『帝国海軍機関史』
• - 福井静夫『写真 日本海軍全艦艇史』

このような情報をもとに、初代楡の艦歴や背景を振り返ることで、大日本帝国海軍の一端とその時代を感じ取ることができます。艦の存在は、歴史に埋もれていた多くの出来事や人々の軌跡を思い起こさせるのです。

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