業界ドラマシリーズ

業界ドラマシリーズとは

『業界ドラマシリーズ』は、1987年4月から12月にかけてフジテレビ系列の「月9枠」で放送された連続テレビドラマの一群です。このシリーズは、主にフジサンケイグループに関連するメディアや企業を舞台に、テレビ業界の裏舞台や舞台裏のストーリーに焦点を当てていました。放送は毎週月曜日の21時から54分間行われ、全5作品が3クールにわたって放送されました。

背景と放送の内容

本シリーズの特徴は、その業界に関連する情報コーナーやインタビューを組み込むことにより、視聴者にリアルな描写を提供している点です。フジテレビ自身の番組やイベントの出演者へのインタビューを通じて、内側からの視点でテレビ業界を描きました。このような新たな切り口は視聴者に好評を博し、他のテレビ局でも類似のドラマが次々と登場するきっかけとなりました。

具体的には、TBSで『あなたもスターになりますか』や『ヨーシいくぞ!』、日本テレビで『恋はハイホー!』、テレビ朝日で『制作2部青春ドラマ班』など、テレビ業界や芸能界をテーマにした作品が制作されましたが、いずれも視聴率が1桁に留まるなど苦戦を強いられました。

シリーズの影響とその後

『業界ドラマシリーズ』の放送後、フジテレビは『荒野のテレビマン』をもってこのシリーズを終了すると発表しました。このことは、視聴率が低迷していたことを示唆しています。しかし、これ以降の月9枠では、恋愛を中心に据えた「トレンディドラマ」が主流となり、放送期間も季節ごとの1クール（約3か月、10回前後）で展開されるようになりました。実際に、シリーズで放送されたドラマの中で、1クールで完結したのは第2作『男が泣かない夜はない』のみで、残りの作品は大体が2か月間にわたり全6話から8話の中編形式で放送されました。

関連作品

このシリーズが放送されることによって、テレビ業界に対する興味が高まり、特に女性アナウンサーをテーマにしたドラマ『女子アナ。』が2001年にフジテレビで放送されました。この番組もまた、多くの視聴者の関心を引きました。

『業界ドラマシリーズ』は、テレビ業界そのものを描いた先駆的な試みであったと言えます。視聴者に新たな視点とエンターテインメントを提供したこのシリーズは、今なお日本のドラマ史において重要な位置を占めています。

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