楯ヶ崎

楯ヶ崎（たてがさき）

概要

楯ヶ崎は、三重県熊野市甫母町の海岸にそびえ立つ、高さ約80m、周囲約550mの巨大な岩塊です。二木島湾の北側に位置し、玄武岩を主体とするその姿は、柱状節理が発達しているのが特徴です。この独特な景観は、古くから人々の目を惹きつけてきました。

『紀伊続風土記』には、熊野灘に楯を並べたように見えることから名付けられたと記されています。その名の通り、海面から突き出す岩の様は、まるで巨大な楯が並んでいるかのようです。また、イシダイをはじめとするタイの好漁場としても知られ、多くの釣り人が訪れます。

歴史・伝説

この地には、神武天皇が上陸した場所であるという伝説も残っています。増基法師も「神武天皇御船繋之處」と記しており、古くから神聖な場所として認識されていたことが伺えます。その歴史と自然が織りなす景観は、訪れる人々に深い感銘を与えます。

名勝・天然記念物

1937年（昭和12年）8月20日には、その景観の美しさと地質学的な価値から、三重県の名勝および天然記念物に指定されました。この指定は、楯ヶ崎の価値を公的に認めたものであり、その保護の重要性を示しています。

観光

楯ヶ崎の景観を洋上から楽しむための遊覧船が運航されており、海食洞など、陸上からは見ることのできない、変化に富んだ風景を堪能できます。遊覧船に乗れば、海から見上げる楯ヶ崎の迫力ある姿や、波によって削られた奇妙な岩の形など、自然の造形美を間近に感じることができるでしょう。

アクセス

公共交通機関を利用する場合は、JR東海紀勢本線二木島駅から、国道311号を須野町方面へ車で約15分です。車でのアクセスが便利ですが、周辺には駐車場も整備されています。

その他

楯ヶ崎は、熊野灘の美しい海岸線の中でも、特に目を引く存在です。その独特な形状と歴史、伝説が相まって、多くの観光客を魅了しています。リアス式海岸特有の複雑な地形と、そこにそびえ立つ岩塊のコントラストは、自然の偉大さを感じさせてくれます。

参考資料

ワークス 編『ふるさとの文化遺産 郷土資料事典24 三重県』1997年10月1日、人文社、235p.

関連項目

二木島町
熊野灘
リアス式海岸

外部リンク

楯ヶ崎：熊野の観光名所 - み熊野ねっと
まさはる屋－遊覧船 楯ヶ崎めぐり－
* 熊野市ホームページ（楯ヶ崎）

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