極道の妻たち 三代目姐

極道の妻たち 三代目姐

『極道の妻たち 三代目姐』は、1989年に公開された東映製作の日本映画であり、人気シリーズ『極妻』の第3作にあたります。前作に引き続き、家田荘子の原作を基に、高田宏治が脚本を執筆、降旗康男が監督を務めました。主演は三田佳子が務めています。

あらすじ

舞台は兵庫県。三代目坂西組組長、坂西武雄（丹波哲郎）の妻である葉月（三田佳子）は、入院中の夫の看病に明け暮れていました。そんな折、服役していた組員、赤松徹郎（萩原健一）が出所します。赤松は、兄貴分の寺田竜吉（成田三樹夫）から、かつて抗争があった“じょうしん会”の二代目、木曽（浜田晃）と手打ちの盃を交わすよう命じられます。しかし、過去のわだかまりから、赤松はこれを拒否。葉月は、寺田を支え組を守るよう赤松を諭し、赤松は寺田に詫びることを決意します。

しかし、その矢先、赤松は襲撃を受けます。事件の背後には、じょうしん会の影が見え隠れし、事態は複雑化していきます。一方、葉月は夫の遺言がないことを寺田に告げ、彼を組長代行に任命。後継者争いが始まります。葉月は、以前から赤松に抱いていた恋情から、彼の跡目相続を願っていました。そんな中、寺田は木曽を組の幹部に迎え入れ、勢力拡大を図ります。

真実を追求する赤松は、襲撃犯がじょうしん会の組員であることを突き止めますが、寺田と木曽によって事件は隠蔽されます。さらに、葉月は弁護士から夫の遺言の存在を知らされ、動揺します。赤松は、ホステスの操（かたせ梨乃）と関係を持ち、彼女の店を買い取りますが、それが葉月の怒りを買い、女同士の争いが勃発します。

葉月が故郷に戻った後、幹部会の入れ札で寺田が四代目に決定しますが、赤松は納得しません。彼は木曽を殺害し、警察に連行されますが、清美（吉川十和子）のアリバイ証言によって釈放されます。しかし、清美に心変わりした赤松は操を裏切り、店を奪って去ります。絶望した操は、赤松を殺害。葉月は、赤松の死に大きな衝撃を受けます。そして、寺田同席のもと、夫の遺言を聞いた葉月は、それを破り捨て、自ら跡目を継承することを宣言するのでした。

キャスト

坂西葉月：三田佳子
赤松徹郎：萩原健一
寺田竜吉：成田三樹夫
野方操：かたせ梨乃
松江清美：吉川十和子
坂西武雄：丹波哲郎

スタッフ

原作：家田荘子
脚本：高田宏治
監督：降旗康男
音楽：三枝成彰
撮影：木村大作

受賞

第13回日本アカデミー賞

優秀主演女優賞：三田佳子
優秀監督賞：降旗康男
優秀撮影賞：木村大作
優秀照明賞：増田悦章
優秀編集賞：市田勇

テーマ

本作は、極道の妻としての生き様、跡目争いの裏に潜む人間の欲望、そして男女の愛憎を描いています。三田佳子の迫真の演技、降旗康男の重厚な演出、木村大作の美しい映像が、物語に深みを与えています。また、シリーズを通して、女性の強さや哀しさを描いている点も、本作の魅力と言えるでしょう。

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