榎本美佐江

榎本 美佐江（えのもと みさえ）の生涯と音楽

榎本美佐江は、1924年3月13日に埼玉県川口市で生まれた日本の歌手である。彼女は戦後、特に美人芸者歌手としての地位を築き多くのファンに支持された。

初期の生活

榎本は家計が厳しく、1934年には11歳で浅草の小劇場・玉木座に奉公に出された。14歳のときには能登で若い芸者として働き始めたが、1940年には東京に戻りすぐに大井町の芸者に身を置くこととなる。このように早くから芸妓としての道を歩み始め、作曲家大村能章の指導を受けながら歌の技術を磨いていった。

歌手デビュー

1946年、榎本はテイチクに入社し、同年10月には「貴方にはわからない」をリリースして本格的な歌手デビューを果たす。この楽曲は、彼女の歌手としてのキャリアを確立するきっかけとなった。翌年、1948年には、戦前に人気を誇った「十三夜」を代役で歌い上げるとリバイバルヒットを記録し、多くの観客を魅了した。

映画デビューとブレイク

榎本は1947年に新東宝の映画『ぼんぼん』で女中役として映画デビューを果たし、その後も数々の作品に出演した。1949年にはビクターに移籍し、1950年のハワイ興行で芸者姿でのパフォーマンスが話題を呼び、その後は彼女のシンボルともなる。

1952年には「弥太郎旅唄」を鶴田浩二とデュエットし、この曲は大ヒットとなった。さらに1953年の映画「女難街道」では主題歌「お俊恋唄」が多くのファンに支持されるなど、榎本の人気は高まっていく。

プライベートと復帰

1955年、榎本はプロ野球選手の金田正一と同棲を始め、芸能界から一時引退をするが、1961年に金田との不倫が発覚したことがきっかけで離婚。その後、彼女は復帰し、1963年に「後追い三味線」をリリース。これが大ヒットし、以降も「お別れさのさ」や「三味線一代」などから多くのヒット曲が生まれる。

活躍と晩年

晩年まで榎本はステージやテレビ出演を続け、1985年には新曲「潮来の女」をリリースするなど活躍を続けた。1990年には心臓の病を抱えつつも復帰を果たし、一時は仕事に復帰したものの、1998年に大腸癌が発覚し、その後9月23日に74歳で他界した。

彼女の生涯は、音楽界において長きにわたって愛され続け、多くのファンの記憶に刻まれた。榎本が残した音楽とその影響は、今なお多くの人々の心に残っている。彼女の元夫である金田も、榎本を大切な存在として思い出しており、彼らの絆は今でも語り継がれている。

代表的な楽曲

榎本美佐江には多くの名曲があり、代表的なものには以下が含まれる：

• - 「お俊恋唄」
• - 「十三夜」
• - 「弥太郎旅唄」
• - 「後追い三味線」
• - 「お別れさのさ」
• - 「三味線一代」

榎本の音楽は、彼女の人生と切り離せないものであり、歌手としての彼女の存在感は日本の歌謡史においても欠かせないものである。

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