榧 (松型駆逐艦)

日本海軍駆逐艦『榧』の艦歴

建造と初期活動

1944年4月10日、舞鶴海軍工廠で起工した「榧」は、当初仮称艦名で建造されました。6月20日、「榧」と命名され、松型駆逐艦に類別。7月30日に進水、舞鶴鎮守府籍となりました。9月18日、岩淵吾郎少佐が艤装員長に任命され、同月30日に竣工。岩淵少佐は艦長に就任しました。

就役後は訓練部隊に編入され、瀬戸内海で訓練を実施。その後、九州鹿屋航空基地への航空隊転進支援や、空母の護衛任務も遂行しました。11月25日には、第三十一戦隊第43駆逐隊に編入され、南西方面作戦への展開を開始しました。

南西方面作戦

「榧」は、輸送船団の護衛や、ミンドロ島への攻撃作戦にも参加しました。ミンドロ島作戦では、台風や敵空襲、機械の故障など、多くの困難に見舞われました。作戦における損害は大きく、戦死者や負傷者も多数出ました。その後の修理を経て、再び作戦行動に参加することとなりました。

終戦まで

1945年1月中旬から、舞鶴工廠と呉工廠で修理を行いました。4月には、大和沖縄特攻作戦で第一遊撃部隊を護衛。豊後水道まで同行しましたが、作戦は中止となり、その後は待機や訓練、復員輸送に従事しました。終戦を迎えた「榧」は、10月5日に除籍されました。

戦後とソ連への引き渡し

終戦後は復員輸送に従事した後、賠償艦として1947年7月5日にソ連に引き渡されました。「ヴォレヴォーイ」と改名され、ソ連海軍に編入。その後、標的艦として使用された後、暖房船として再利用されました。1959年8月に退役し、解体されました。

まとめ

日本海軍駆逐艦「榧」は、太平洋戦争において様々な作戦に従事し、幾多の困難を経験しました。その艦歴は、日本海軍の太平洋戦争における苦闘を象徴するものです。建造からソ連への引き渡しまで、数々の出来事を経て、その生涯を終えた「榧」の記録は、歴史を学ぶ上で貴重な資料となっています。その奮闘と運命は、後世に語り継がれるべきでしょう。

参考文献

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