樋口久子

樋口久子のゴルフキャリア

樋口久子（ひぐち ひさこ、1945年10月13日生まれ）は、埼玉県川越市出身の著名な女子プロゴルファーです。彼女は、日本女子プロゴルフ協会の相談役であり、かつては会長も務め、日本のゴルフ界において重要な役割を果たしています。樋口は、男女問わずアジア出身選手として初めて、全米女子プロゴルフ選手権で優勝を果たした偉業を持ち、日本人で初めてLPGAツアーで勝利した人物でもあります。彼女の優勝回数は73回に上り、日本女子ゴルフ界の歴史において最も多く、また日本人初の世界ゴルフ殿堂にも選出されています。

初期のスポーツ人生

樋口自身は学生時代、中学校まで陸上競技に専念していました。しかし、二階堂高等学校卒業後、実姉が勤務していた東急砧ゴルフ場で中村寅吉と出会ったことが、彼女のゴルフへの情熱の始まりとなりました。卒業後は中村に弟子入りし、川越カントリークラブでスタッフとして働きながらプロゴルファーとして成長していきました。1967年には第1期女子プロテストに合格し、プロとしての道を歩み始めます。

日本女子ゴルフの先駆者

樋口は、1968年に日本女子プロゴルフ選手権大会とTBS女子オープン選手権を連続優勝し、その後1970年代から80年代にかけて日本のメジャー大会で数多くのタイトルを獲得していきます。彼女は、1974年にはオーストラリアン女子オープンで優勝し、1976年には日本人として初めてLPGAツアーで勝利を収めるなど、海外でもその名を知られるようになります。

さらに、樋口は1977年に全米女子プロゴルフ選手権で見事に優勝し、アジア人として初めてのメジャー制覇を成し遂げます。この成功により、彼女の名前は世界中に広まり、「Hisako Chako Higuchi」という名前で知られるようになります。彼女は、ゴルフ界において新たな記録を打ち立て、多くのファンから尊敬される存在となりました。

ゴルフ界での後進育成

1996年に日本女子プロゴルフ協会の会長に就任した樋口は、1997年には競技の第一線から退いて、若手選手の育成に注力します。彼女の影響力とキャリアは高く評価され、2003年には日本人初の世界ゴルフ殿堂入りを果たしました。樋口が関わった大会である「紀文レディースクラシック」は、彼女の功績を称えて「樋口久子・紀文クラシック」と改名され、現在も続いています。

近年の活動

2011年に日本女子プロゴルフ協会の役員定年を迎えた樋口は、相談役としての役割を果たし続けています。さらに、2014年には文化功労者としても選ばれ、2018年には日本ゴルフ協会の特別顧問に就任しました。樋口久子は、ゴルフだけでなく日本のスポーツ界全体に多大な影響を与えている人物です。

プレースタイル

樋口の特徴的なプレースタイルには「スウェー打法」があります。この方法は、体重移動を思い切り行うもので、彼女の強力な足の筋肉によってしなやかで安定したショットが繰り出されます。ただし、スイングプレーンの概念を無視するため多くの選手には難易度が高い打法でもあります。樋口は、他の選手とは異なる独自のスタイルを磨き上げ、プロとしての成功を築きました。

樋口久子は、女性ゴルファーとしての地位を築いただけではなく、後世にその足跡を残し続ける先駆者であり、彼女の成功は多くの若いゴルファーたちにとってインスピレーションとなっています。

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