樋口宗孝

樋口宗孝：日本のHR/HM界を牽引した伝説のドラマー

樋口宗孝（ひぐち むねたか、1958年12月24日 - 2008年11月30日）は、日本のドラマー、音楽プロデューサーです。奈良県奈良市出身で、LOUDNESS、レイジー、SLY、BLOOD CIRCUSなど、数々のバンドでドラムを担当し、日本のハードロック/ヘヴィメタルシーンを代表するドラマーとして知られています。

生い立ちと音楽への目覚め

1958年、奈良県に生まれた樋口は、幼少の頃から音楽に親しみ、ドラムの才能を開花させます。1977年には、アイドルバンド「レイジー」のドラマーとしてデビューし、「デイビー」の愛称で親しまれました。しかし、レイジーの音楽性の変化に不満を感じ、ハードロックへの志向を強めていきます。

LOUDNESS結成と世界への挑戦

1981年、レイジー解散後、ギタリストの高崎晃と共にLOUDNESSを結成。LOUDNESSは、日本のヘヴィメタルバンドとして世界的な成功を収め、樋口のパワフルかつテクニカルなドラミングは、国内外の多くのファンを魅了しました。ジョン・ボーナム（レッド・ツェッペリン）からの影響を公言し、シングルバスドラムに強いこだわりを持ちながらも、2バスドラムのような表現を追求するプレイスタイルは、多くのドラマーに影響を与えました。

多岐にわたる音楽活動

1994年にLOUDNESSを脱退後も、SLYの結成やレイジーの再結成、BLOOD CIRCUSでの活動など、多岐にわたる音楽活動を展開しました。BLIZARDのアルバムプロデュースや、様々なアーティストのレコーディングに参加するなど、プロデューサーとしても才能を発揮しました。

音楽性とドラムへのこだわり

樋口のドラミングは、その圧倒的なパワーとテクニックに加え、独特のグルーヴ感が特徴です。ドラムセットやスティックにも強いこだわりを持ち、アメリカのイーストンアヘッド社からは、樋口宗孝モデルのジュラルミンスティックが販売されました。また、ドラム専門誌での企画は、毎回販売部数の記録を更新するほど人気がありました。

突然の別れと遺されたもの

2008年4月、肝細胞癌のため活動を休止し、治療に専念していましたが、同年11月30日に49歳の若さで急逝しました。彼の死は、日本の音楽界に大きな衝撃を与え、多くのミュージシャンやファンがその死を悼みました。

2008年12月24日には、青山葬儀所で「お別れの会」が開催され、LOUDNESSやレイジーのメンバーをはじめ、多くの著名人やファンが参列しました。彼の音楽への情熱と革新的なアプローチは、後進のミュージシャンに多大な影響を与え、今もなお語り継がれています。

参考文献

永久保存版 樋口宗孝（RHYTHM＆DRUMS MAGAZINE SPECIAL FEATURE SERIES）（2010年11月13日　リットーミュージック）
リズム&ドラム・マガジン 2009年3月号 「永久保存 追悼大特集 樋口宗孝」（2009年2月13日　リットーミュージック）

関連人物

高崎晃（LOUDNESS）
二井原実（LOUDNESS）
* 影山ヒロノブ（レイジー）

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