横七番町通

新潟市中央区を南北に縦貫する横七番町通は、単なる道路名にとどまらず、一丁目から五丁目にわたる行政上の町名でもあります。住居表示はまだ実施されておらず、郵便番号は951-8083が割り当てられています。

この通りは、新潟市街地において、信濃川の河口に近い北側、通称「下町（しもまち）」と呼ばれる地域の中央部を貫いています。南側の白山神社方面を「上手」とするのに対し、下町は信濃川河口部を指します。横七番町通は、古町通と東堀通が合流する東堀通13番町交差点を起点とし、北へ向かって1丁目から5丁目へと続きます。2011年3月1日時点の新潟市の住民基本台帳調査によれば、この地域の人口は419人です。

周囲は多くの町に囲まれており、北から東回りに浮洲町、附船町、艀川岸町、元下島町、寺山町、寄合町、東受地町、夕栄町と隣接し、さらに本町通、寄附町、西受地町、元祝町、祝町といった町々と接しています。

横七番町通の歴史は古く、明治5年（1872年）の住所改正が行われる以前は「熊谷小路（くまがやこうじ）」という名で知られていました。この名称は、現在の本町通近くにあったとされる熊谷市佐衛門という人物の屋敷に由来すると考えられています。また、別の絵図には、小路を挟んで向かい側にあった富田覚佐衛門の屋敷にちなんで「覚佐衛門小路」と記されているものも見られます。

江戸時代のこの地域は、信濃川が堆積させた土砂によって次第に広がった新しい土地であり、「新地（しんち）」と呼ばれていました。当時の新潟町では、「小路」と呼ばれる道路は、表通りから奥へ入った場所にあることが多く、商店や屋敷の主要な出入り口（表間口）が設けられることは一般的ではありませんでした。主に「通り」と呼ばれる主要な道路同士を結ぶ連絡通路としての性格が強かったのです。しかし、熊谷小路や甚九郎小路といった一部の小路では、幕末を迎える頃には、通りと同様に多くの表間口が立ち並ぶようになっていました。

明治5年に当時の県令であった楠本正隆によって行われた住所改正は、新潟町内の通りや小路、堀などの地名をより分かりやすく単純化することを目的としていました。例えば、町と信濃川を結ぶ横方向の堀は、上手に近い白山掘から順に一番掘から五番堀と番号が振られ、町を縦断する寺町堀と片原堀は、それぞれ西堀と東堀に改称されました。表間口が並ぶように発展していた熊谷小路のような小路は「横町」と位置づけられ、上手の横一番町通から順に横七番町通へと改められたのです。しかし、こうした改名後の名称は、残念ながら住民の間にはあまり浸透しませんでした。横七番町通のように、改名後の名称がそのまま地域に定着した例はごくわずかです。

横七番町通という名称が確立されて以降、行政区分の変遷を経て現在に至ります。1872年（明治5年）に熊谷小路から改称された後、1879年（明治12年）4月9日には新潟区の町丁となり、1889年（明治22年）4月1日には市制施行により新潟市の町丁となりました。さらに、2007年（平成19年）4月1日には新潟市の政令指定都市移行に伴い、中央区の町丁となっています。

この通りゆかりの著名な人物としては、歌手の小林幸子さんがこの横七番町出身であることが知られています。

横七番町通は、かつての「小路」が発展し、近世から近代にかけての新潟の街並みや行政の変遷を経て現在の姿となった、歴史の息吹を感じさせる通りと言えるでしょう。

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