横十間川(よこじっけんがわ)
横十間川は、
東京都墨田区と
江東区を流れる
運河です。別名として、天神川、釜屋堀、横十間堀、横十間堀川とも呼ばれています。この川は一級河川に指定されており、その流れは両区の境界を成すとともに、歴史的な変遷を物語る重要な存在です。
地理
横十間川は、
江東区亀戸と
墨田区業平の境界で北十間川から分岐し、南へと流れます。竪川との交差点までは、川の中央が両区の区境となっています。その後、竪川、小名木川と交差し、特に小名木川との交点には特徴的なX字型の小名木川クローバー橋が架かっています。さらに下流では、仙台堀川と交わり、西へ流れを変えて
江東区東陽で大横川に合流します。
この地域は、かつて地下水の過剰な汲み上げにより地盤沈下が進み、ゼロメートル地帯となっていました。そのため、横十間川は
天井川の状態でしたが、扇橋閘門などの施設により水位が調整され、海水面より約1メートル低い状態に維持されています。この水位調整の結果、小名木川クローバー橋から大横川合流点までの区間は埋め立てられ、現在は横十間川親水公園として整備され、人々に親しまれています。
また、横十間川は、かつて
武蔵国と
下総国の国境、
東京市(15区時代)と
南葛飾郡の境界、そして
東京市内(35区時代)の
本所区・
深川区と城東区の区境としての役割も担っていました。
環境
東京都は、
ダイオキシン類対策特別措置法に基づき、
ダイオキシン類の排出抑制に取り組んでいます。その結果、1998年度と比較して、排出量を最大で20分の1にまで削減することに成功しました。しかし、横十間川の
底質には環境基準値を超える
ダイオキシン類による汚染が確認されており、
東京都は、その改善策を検討しています。この汚染は、過去の工業活動に起因するものであり、早急な対応が求められています。
歴史
横十間川は、
1659年に徳山重政と山崎重政によって開削されました。この二人は翌年、本所奉行に任命されています。江戸時代から、この
運河は重要な水路として機能していました。
名称の由来
横十間川の名前は、
江戸城に対して横方向に流れ、川幅が十間(約18メートル)あったことに由来します。また、別名の天神川は、
亀戸天神の横を流れることにちなんで名付けられました。
橋梁
横十間川には、以下の橋が架かっています。
柳島橋 - (浅草通り)
神明橋
栗原橋
天神橋 - (蔵前橋通り)
錦糸橋
(
総武本線の橋梁)
松代橋 - (京葉道路)
旅所橋 - (馬車通り)
清水橋
本村橋 - (新大橋通り)
大島橋
小名木川クローバー橋
三島橋
岩井橋 - (清洲橋通り)
海砂橋
千砂橋
豊砂橋 - (葛西橋通り)
井住橋 - (四ツ目通り)
平住橋 - (大門通り)
富士見橋
これらの橋梁は、地域の交通網を支えるとともに、横十間川の景観を形作る重要な要素です。
横十間川は、その歴史と地理的特徴から、地域の発展と変遷を象徴する存在です。親水公園としての役割を担う一方で、環境問題という課題にも直面しており、今後の動向が注目されます。