抑込技

抑込技（おさえこみえわざ）

抑込技は柔道の重要な技術の一つで、主に相手を制御し、試合において優位に立つための手段です。この技術は、寝技や固技の一環として位置付けられ、関節技や絞め技と共に柔道の幅広い技術体系を構成しています。国際ルールによって定義が変わることもあり、その運用方法は様々です。

技術概要

柔道における抑込技は、相手を立ち技で崩し、寝技の形に持ち込んだ後、相手の背中や肩を畳に着けることが要求されます。その際、指定されたフォルム（袈裟固や四方固）を使って相手を一定時間抑え込むことが目標です。2014年からは裏の体勢での制御も認められ、抑え込む方法が多様化しましたが、相手の脚を絡める行為はルールによって制約されています。

レスリングのピンフォールとは異なり、下になった選手が上の選手の脚を絡めている状態では抑え込みが成立しません。また、両者が正対している状態でも、講道館ルールでは特定の条件下で抑え込むことができない場合があります。これに対してブラジリアン柔術や総合格闘技では「ガードポジション」として知られる体勢が存在し、柔道でも頻繁にこの体勢に引き込む行為が見られます。

引込みの禁止と試合運営

柔道では「引込み」と呼ばれる行為が禁止されており、そのためのルールが厳格に定められています。高専柔道や七大学柔道では引込みが見られるものの、講道館やIJFでは厳重に制限されています。競技中、下の者がうつ伏せになった場合も抑え込みは認められず、審判の判断によって試合が一時的に中断されることがあります。そのため、試合中に素早く抑え込む技術が必要とされます。

競技ルールの進化

1941年には抑込一本の時間が30秒に統一され、1951年には技ありの時間が25秒と定められました。以降、抑込技に関するルールは段階的に変わり、1997年には国際ルールにおいて抑え込みの基準が見直されています。最近では試合終了間際の抑え込み継続が認められるようになり、試合の展開に大きな影響を与えています。

日本における抑込技の強み

特に日本の選手たちは抑込技において優れた技術を持っており、女子代表選手たちはこれまで数々の大会で成果を収めてきました。2011年の世界選手権では日本の女子選手が寝技において13勝を挙げ、そのうち10勝が抑込技によるものでした。特に横四方固などの技術での優位性は顕著であり、他国の選手に比べて高い成功率を誇っています。

具体的な抑込技の種類

抑込技にはさまざまなバリエーションがあります。以下にいくつかの代表的な技術を挙げます：

• - 横四方固：相手の体を横向きに再制御する技。
• - 上四方固：相手の胸元を押さえつけて制御する技。
• - 袈裟固：相手の首や腕を制御しながら抑え込む技。
• - 崩袈裟固：味方の下にある相手を抱え込む技。

抑込技は柔道特有の戦いのスタイルを形成する上で不可欠な要素であり、具体的な技術やルールの理解は選手や指導者にとって非常に重要です。

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