横尾由衣

横尾 由衣（よこお ゆい）

1989年11月15日生まれ、神奈川県川崎市出身の元女子プロレスラーです。神奈川大学を卒業後、プロレスの世界に足を踏み入れ、女子プロレス団体「スターダム」に所属しました。

プロレスとの出会いと入門

横尾は、幼い頃からのプロレスファンでした。特に全日本プロレス、中でも大和ヒロシ選手に熱烈な声援を送っており、プロレスに対する情熱はブログを通じて表現されていました。その熱意と文章力が、スターダムの風香ゼネラルマネージャーの目に留まり、プロレスラーへの道をスカウトされるという、異色の経歴を持ちます。

2012年11月16日、スターダムの第4期生候補としてプロテストを受験し、見事合格を果たしました。合格が決定したその場で、代表であるロッシー小川氏から、わずか1ヶ月後の同年12月24日に開催される後楽園ホール大会でのデビューが言い渡されます。

これは、スターダムに所属する生え抜き選手としては初めて、新木場1stRINGではなく後楽園ホールという大舞台でのデビューとなり、大きな注目を集めました。

デビューとキャリア

デビューを前に、横尾は2012年12月9日の新木場1stRING大会の試合後、強敵ヘイリー・ヘイトレッドにエルボーを連打する挑発行為に出ます。そして自ら、木村モンスター軍の一員であるヘイリーをデビュー戦の相手として逆指名。後日、正式にヘイリー・ヘイトレッドとの対戦が発表されました。

迎えたデビュー戦では、日頃から研究していた男子プロレスの技を繰り出します。武藤敬司氏を彷彿とさせるドラゴンスクリューからの足4の字固めや、ジャイアント馬場氏が得意としたココナッツクラッシュなど、情熱を込めた「王道プロレス」スタイルで挑みましたが、ヘイリーの強烈なビッグブーツの前に屈し、敗戦となりました。

デビュー戦のエンディングでは、奈苗軍団への加入を直訴。これが認められ、脇澤美穂、須佐えりと共にユニットを結成し、アーティスト・オブ・スターダム王座に挑戦することが決定します。

2013年4月29日には、スターダムの両国国技館大会に出場。遅れてデビューした同期の吉乃すみれとタッグを組み、アイスリボンの世羅りさ、山口ルツコ組と対戦しました。この試合で、横尾は世羅からフォールを奪い、プロレスラーとしてのキャリアにおいて初の直接勝利を挙げました。

度重なる怪我と引退

順調にキャリアを積み重ねていくかに見えた横尾でしたが、プロレスラーにとって最大の敵である怪我に苦しむことになります。

2013年5月には、左膝の前十字靭帯を断裂し、さらに半月板も損傷するという重傷を負いました。これにより長期欠場を余儀なくされます。

さらに、同年7月には練習中に再び左膝を負傷。外側支持機構と内側側副靭帯を損傷してしまいます。この怪我により、彩羽匠と組んで出場を予定していた第5代ゴッデス・オブ・スターダム王座決定トーナメントへの出場を断念せざるを得なくなりました。

度重なる膝の負傷に対し、靭帯再建のため2度の手術を受けましたが、プロレスラーとして復帰できるまでの回復は叶いませんでした。

2014年、スターダムが新たな契約制度を導入した際、横尾は契約を交わすことなく同年3月31日付けで団体を退団します。当初はプロレス活動停止と発表されていましたが、自身のブログでは怪我の経過が思わしくなく、事実上の引退であることを明記しました。

引退後の活動

プロレスラーとしてのキャリアを終えた横尾は、一般企業に就職し、新たな道を歩み始めます。しかし、プロレスへの情熱が消えたわけではなく、かつてスカウトのきっかけともなった男子プロレス観戦を再開し、一ファンとしてプロレスを楽しんでいます。

プロレスラーとしての活動期間は短かったものの、情熱あふれるファイトスタイルと、怪我からの復帰を目指す懸命な姿は、多くのファンの記憶に残っています。

彼女のブログ「よこおさんぽ」は、引退後も更新が続けられており、近況を知ることができます。

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