横山保 (経済学者)

横山 保（よこやま たもつ）について

横山保は、1921年5月28日に神奈川県で生まれた日本の著名な経済学者、統計学者です。1996年7月30日に急性心不全により逝去するまでの間、彼は日本の戦後経済学の発展に多大な貢献をしました。特に、数理経済学の分野において、その業績は顕著です。大阪大学名誉教授や高岡短期大学の初代学長として、学術的な基盤づくりに尽力しました。

学歴と初期の経歴

横山は、鹿児島県立第二鹿児島中学校を卒業後、1940年に第七高等学校造士館に入学し、1942年に卒業。その後、東京帝国大学の理学部数学科に進学し、1945年に学位を取得しました。卒業後、彼は教育界に身を投じ、1946年から関東学院中学部で講師としてのキャリアをスタートしました。その後、工業専門学校で教授に昇任し、教育における卓越した手腕を見せました。

経済学との出会い

横山が経済学の研究に転向したのは、古谷弘の影響によるものでした。彼は『近代経済理論研究』に発表した論文をきっかけに、経済学の世界に身を投じることとなります。この頃から、彼は日本の経済模型の安定性に関する研究を行い、研究成果を発表していきました。1950年代には、大阪大学経済学部で教授としての職務を遂行し、同時に神戸大学や広島大学でも教鞭をとるなど、広範な教育活動を展開しました。

大阪大学における業績

1957年に大阪大学経済学部の教授に昇任した後、横山は1980年代にかけて多くの教育・研究活動を行い、その中で経営システム論や消費者の選択に関する基礎理論に重点を置きました。彼の研究は、経済学の理論と実践の架け橋となり、学界のみならず産業界にも影響を与えました。さらに、大阪大学では経済学部長兼経済学研究科主任を務め、情報処理教育センターの設立にも関与しました。

高岡短期大学の設立と学長職

1983年、横山は富山大学高岡短期大学の創設準備室長に就任し、同年に開学した高岡短期大学の初代学長に任命されました。この役職では、1992年までの間に教育機関の健全な運営と発展に寄与しました。この功績が評価され、彼は1992年に勲二等瑞宝章を受賞しました。

学会および公的な活動

横山は数多くの学術団体で重要な役割を果たしました。日本オペレーションズ・リサーチ学会では、理事や副会長を歴任し、1980年には第5回普及賞を獲得しました。また、日本マーケティング・サイエンス学会の設立に参加し、理事を務めるなど、マーケティング研究の発展にも貢献しました。さらに、関西生産性本部や大阪府病院協会などの公的な機関でも理事や顧問として活動しました。

まとめ

横山保は、経済学の発展に寄与し、教育界においても多大な影響を残した学者です。彼の業績は、今なお多くの研究者に影響を与え続けています。

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