横山光雄

横山 光雄（よこやま みつお）は、1909年9月25日に生まれ、2010年10月20日に永眠した日本の造園家、および造園学者です。教育者としては、千葉大学、東京大学、日本大学で教壇に立ち、造園学や都市計画学の教育・研究に深く関わりました。

神奈川県横浜市で生まれた横山は、1930年（昭和5年）に東京帝国大学農学部農学科（現在の東京大学農学部）に進学しました。駒場にあった当時のキャンパスで、園芸第二研究室に所属し、丹羽鼎三教授のもとで学びました。1933年（昭和8年）には大学院に進み、造園学を本格的に修めました。

大学院を修了した1935年（昭和10年）からは、埼玉県庁に2年間勤務しました。この時期、東京緑地計画協議会の活動にも参加し、広域的な緑地計画の策定作業に従事しました。

1937年（昭和12年）頃、満洲国へ渡り、関東州庁に奉職しました。ここでは、大連をはじめとする関東州内の都市計画や、関東州計画令の策定に深く関わりました。その2年後には、大東港建設局に移り、安東（現在の丹東）において緑化を取り入れた都市計画の推進に貢献しました。さらに、1944年（昭和19年）からは、内務省の要請を受けて、鞍山市の防空都市計画にも従事しました。その後、兵役により応召しました。

第二次世界大戦の終結後、日本に帰国しました。一時、日本公園緑地協会に勤務した後、千葉農業専門学校（後の千葉大学園芸学部）緑地土木科に専任講師として赴任しました。新制大学への移行期において、千葉大学園芸学部に旧造園学科を創設する上で重要な役割を果たしました。教育活動と並行して、同時期には農村計画の分野にも積極的に関与し、農村計画学会を立ち上げる活動にも参加しました。また、東京大学大学院生物系研究科農学専門課程においては、花卉学特論の講師を務めるなど、幅広い教育・研究分野で貢献しました。

実務家としての横山の業績は多岐にわたります。戦前の満洲での都市計画に関与した経験に加え、戦後の日本の国土開発・都市整備にも深く関わりました。大規模な住宅地開発である千里ニュータウン計画や、1964年の東京オリンピック開催に合わせて整備された駒沢オリンピック公園の建設にも参画しました。また、旧運輸省の観光支援策の立案や、過疎化が進む農山漁村の再生、さらには全国各地のレクリエーション施設整備といった分野でも手腕を発揮しました。

具体的なプロジェクトとしては、1958年（昭和33年）に小田急向ヶ丘遊園のばら苑を設計したことが挙げられます。さらに、1968年6月には研究学園都市周辺地域開発基本計画の策定に関与しました。大阪城公園の東部地区整備や、1978年には横浜市における大通り公園、港北地区の公園緑地整備計画などにも携わっています。

学会活動においても指導的な役割を果たしました。1969年から1971年にかけては、日本造園学会の会長を務め、学会の発展に尽力しました。また、その長年の功績は高く評価され、複数の栄誉を受賞しています。1970年には第1回日本公園緑地協会北村賞を受賞。1977年には昭和52年度日本都市計画学会受託研究報告学会賞を受賞しました。そして、1992年には第10回日本造園学会上原敬二賞を受賞しています。

横山光雄は、教育者、研究者、そして実務家として、日本の造園学および都市計画学の発展に多大な貢献を果たしました。2010年10月20日、老衰のため横浜市内の自宅で、101歳という長寿を全うし永眠しました。

参考文献
* 『緑地計画-地域計画』 横山光雄教授退職記念行事実行委員会 編 (1979年)

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