横山泰三

横山 泰三 - 日本の風刺漫画家

横山 泰三（よこやま たいぞう）は1917年2月28日に高知県高知市で誕生し、2007年6月10日に亡くなった日本を代表する漫画家です。彼は昭和後期から平成初期にかけて、その特異な画風と鋭い風刺で多くの読者に衝撃を与えました。特に、毎日新聞や週刊新潮で連載された『プーサン』や、朝日新聞の1コマ漫画『社会戯評』などは風刺漫画の金字塔とされています。

経歴

泰三は、高知商業学校に在学中、兄の横山隆一を頼り上京しました。兄は既にプロの漫画家であり、彼の影響を受ける形で漫画の道に進むこととなります。京華商業学校へ転校した後、洋画家を志し油彩画を学ぶため川端画学校に通ったものの、数年後に中退し、白木屋でポスター製作に従事しました。戦時中、彼は陸軍に召集され、漢口攻略戦に参加を果たしました。

終戦後、泰三は兄の腎臓病の手助けをしながら再び漫画を描き始め、数多くの雑誌に作品を投稿しました。特に戦後の開放的な風俗をテーマにしたエロティックな作品から、次第にシンプルで独特な画風へと進化していきました。1950年に発表した1コマ漫画『噂の皇居前広場』は、風刺漫画として警視庁から摘発される事態となり、これが彼の反骨精神を育むことになりました。この事件を通じて、多数の評論家が横山を擁護し、彼はその後も諦めることなく独自の表現を続けます。

受賞歴と評価

彼は1954年に第2回菊池寛賞を受賞し、1981年には紫綬褒章、1988年には勲四等旭日小綬章を授与されました。しかし、彼の活動には批判も一定数存在し、特に保守系と左派系のメディアに同時に連載を持つことに対し、疑問の声が上がることもありました。これにより、彼は一部から「政治家の似顔絵が描けない風刺漫画家」と批判される一方、他の漫画家たちからは評価を受け続けました。

また、彼の風刺漫画『社会戯評』は、竹熊健太郎や相原コージの作品においてパロディとして取り上げられ、旧態依然とした政治風刺の一例ともされました。これにより、横山の漫画の一部が後世に影響を及ぼすこととなります。

主な作品

• - プーサン（毎日新聞 1950年-1953年、週刊新潮 1965年-1989年）
• - 社会戯評（朝日新聞 1954年-1992年）
• - 新・人物戯評（週刊サンケイ 1960年-1961年）
• - 太平楽人物記（漫画讀本 1964年）

彼のマンガは多くの読者に愛され続け、晩年まで活動を続けました。1990年代には連載から引退した後も、朝日新聞に寄稿するなど、創作への情熱を失うことはありませんでした。1790年6月10日、泰三は肺炎により自宅で静かに息を引き取りましたが、彼の残した作品や影響は今なお多くの人々に記憶されています。

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