相原コージ

相原コージ（あいはらコージ、本名：相原弘治、1963年 5月3日 - ）は、日本の漫画家です。北海道登別市出身で、独特なギャグセンスと実験的な作風で知られています。

経歴

北海道室蘭東高等学校（現・北海道室蘭東翔高等学校）を卒業後、日本デザイナー学院に入学し、まんが専攻科を卒業しました。しかし、相原自身は専門学校での漫画教育を否定的に捉えており、「専門学校の漫画コースは、行っても役に立たない」と発言しています。また、自著の著者紹介で同校について「恥ずかしい経歴」と記載しています。

漫画家としてのキャリアは、青年漫画雑誌『ガロ』への投稿から始まりました。落選後、『Weekly漫画アクション』（現・漫画アクション）に持ち込んだ『8月の濡れたパンツ』が1983年に掲載され、デビューを果たしました。この作品は、専門学校の授業で描いたものだったため、持ち込みにもかかわらずカラー原稿であったことが、編集部を驚かせました。

相原は、いがらしみきおから強い影響を受けており、ギャグ漫画を多く執筆しています。出世作であり、初の単行本作品である『ぎゃぐまげどん』では、枠にとらわれない先鋭的で実験的なギャグ漫画を描き、漫画情報誌「ぱふ」のレビューでは「邪道まんが家」と評されました。その後、『コージ苑』や『かってにシロクマ』などの代表作を次々と発表しました。

また、竹熊健太郎との合作『サルでも描けるまんが教室』は、漫画家の人生や漫画制作法をパロディ化した傑作として知られています。この作品は、漫画業界の内幕を笑い飛ばし、多くの読者の支持を得ました。その後も、ギャグ漫画やストーリー漫画において、従来の漫画家が描かなかった「極端な描写・物語」を追求し続けています。

『コージ苑』が絶頂期を迎えていた頃、東京電力から広告依頼を受けましたが、原発の広告は描けないとして断ったエピソードがあります。

格闘技やプロレスにも造詣が深く、自身もブラジリアン柔術を習っています。この経験は、彼の作品「真・異種格闘大戦」で「ブラジリアン柔術を習得したゴリラ」が登場するシーンに活かされています。

相原は、その作風とは裏腹に大変な遅筆であることでも知られています。

相原賞

相原コージは、1988年から1990年にかけて、『週刊ビッグコミックスピリッツ』誌上で新人漫画家を対象とした「相原賞」を主催しました。この賞は、相原と竹熊健太郎が審査員を務め、「グランプリ」「金のアイハラ賞」「銀のアイハラ賞」「残念賞（佳作）」を選出しました。元々は、ある作家の原稿の穴埋め企画として始まったものですが、予想を上回る多数の応募があり、多くの人気作家を輩出しました。

2001年からは、掲載誌である『週刊ビッグコミックスピリッツ』で「スピリッツ賞」が開始されたため、「相原賞」は消滅しました。

相原賞を受賞後デビューした漫画家

ほりのぶゆき (第1回金のアイハラ賞)
藤野美奈子 (第2回佳作、第3回銀のアイハラ賞)
榎本俊二 (第3回特別賞)
三好銀 (第3回銀のアイハラ賞) ※ 伊東ジュラ紀名義
本秀康 (第4回佳作) ※ 安藤アイラブハー名義

受賞したデビュー済の漫画家

うのせけんいち (第1回佳作)
中尊寺ゆつこ (第2回特別賞)

主な作品

漫画

ぎゃぐまげどん（1984 - 1985年、アクションHERO、双葉社）
文化人類ぎゃぐ（1985年、Weekly漫画アクション、双葉社）
コージ苑（1985年 - 1988年、週刊ビッグコミックスピリッツ、小学館）
神の見えざる金玉（1986年 - 1989年、COMICアクションキャラクター、双葉社）
かってにシロクマ（1986年 - 1989年、Weekly漫画アクション、双葉社）
サルでも描けるまんが教室（共著：竹熊健太郎、1989年 - 1992年、週刊ビッグコミックスピリッツ、小学館）
ムジナ（1993年 - 1997年、週刊ヤングサンデー、小学館）
一齣漫画宣言（1994年 - 1996年、週刊ビッグコミックスピリッツ、小学館）
漫歌（1998年 - 2010年、Weekly漫画アクション → ビッグコミックスペリオール、小学館）
相原コージのなにがオモロイの?（1999年 - 2000年、週刊ビッグコミックスピリッツ、小学館）
もにもに（2001年 - 2002年、週刊ビッグコミックスピリッツ、小学館）
真・異種格闘大戦（2004年 - 2011年、漫画アクション → 双葉社Webマガジン、双葉社）
サルまん2.0（2007年、月刊IKKI、小学館）
Z 〜ゼット〜（2012年 - 2015年、別冊漫画ゴラク → ゴラクエッグ、日本文芸社）
下ネタで考える学問（2012年 - 2013年、漫画アクション、双葉社）
コージジ苑（2015年 - 、アサヒ芸能、徳間書店）
愛のバビロン（漫画：藤田かくじ、2016年 - 2018年、ゴラクエッグ、日本文芸社）
こびとねこ（2017年 - 2019年、WEBコミックアクション、双葉社）
翻車魚奇譚（2020年 - 、Webアクション、双葉社）
うつ病になってマンガが描けなくなりました（2021年 - 、Webアクション、双葉社）

コンピュータゲーム

かってにシロクマ（キャラクターデザイン）
たんば（キャラクターデザイン）
摩訶摩訶（キャラクターデザイン）
イデアの日（原案・シナリオ・キャラクターデザイン）

その他

たんば（カードゲーム、イラスト等）
地上げの王様（ボードゲーム、イラスト等）

OVA

かってにシロクマ（脚本・絵コンテ）

外部リンク

相原コージ (@kojiaihara) - X（旧Twitter）
相原コージ：公開作品 - マンガ図書館Z

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