横山源之助

横山源之助について

生い立ち

横山源之助（よこやま げんのすけ）は1867年、富山県の魚津町に生まれました。私生児としてこの世に誕生した彼は、後に左官職人の養子として育つことになります。1881年に魚津明理小学校を卒業した後、醤油醸造業の商家に奉公しつつ、自ら学び続けました。1885年には富山県立富山中学校の1期生として入学しましたが、2年で中退し、法律の道を志して上京。英吉利法律学校（現在の中央大学）に通いましたが、弁護士試験には何度も挑戦するものの合格には至りませんでした。

ジャーナリストとしての道

上京中に、源之助は二葉亭四迷や内田魯庵といった文人との出会いを果たしました。この交流が彼のジャーナリストとしての出発点となり、1894年には毎日新聞社に記者として入社します。彼はその後、下層社会をテーマにしたルポルタージュを中心に執筆活動を展開し、当時の社会問題に鋭い視点で取り組みました。特に、下層社会の女性たちの支援に心を砕き、晩年の樋口一葉とも親交を結びました。

1899年には、『日本之下層社会』や『内地雑居後之日本』を相次いで出版し、彼の名は広まりましたが、健康を害し、同年に帰郷して毎日新聞社を退社することになりました。

雜誌や著作活動

退社後も、源之助は「職工事情」調査に参加し、再び上京。労働者の海外出稼ぎ計画に取り組みましたが、残念ながら実現には至りませんでした。その後も多くの著作を執筆し、1912年にはブラジルを訪れ、『南米ブラジル』を執筆しました。

彼の著作の中でも特に影響力があったのが、『日本之下層社会』や『内地雑居後之日本』であり、これらは社会問題に対して真摯に向き合った結果の結晶です。また、彼は別名義でも数多くの作品を発表しています。

晩年と記念

源之助は1915年6月3日、東京でこの世を去りました。享年は45歳でした。彼の最後の姿を見取った中村武羅夫は、源之助が「人生とは何か」と思索しながら息を引き取ったことを回顧しています。

1987年には彼を偲ぶ記念碑が故郷魚津市に設立され、その碑には「社会福祉の先覚」と刻まれています。この記念碑は2008年に大町海岸公園に移設されました。彼の全集は、複数の版を経て、2007年に完結し、今なお多くの人々に読まれています。

まとめ

横山源之助は、明治時代の日本において、下層社会に光を当て、社会問題に対する理解を深めるために尽力した著名なジャーナリストでした。彼の数々の著作や活動は、今もなお社会福祉の重要性を考える上で貴重な資源となっています。

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