横手城

横手城の概要

横手城（よこてじょう）は、秋田県横手市に存在した日本の山城です。別名朝倉城（あさくらじょう）とも呼ばれ、現在は横手公園内に位置しています。廃城後、この城址は整備され、模擬天守が建設されています。横手市の指定史跡に指定されており、多くの観光客に親しまれています。

歴史・沿革

横手城は、1554年に小野寺景道によって朝倉山に築城されたと言われています。戦国時代には、小野寺家の家臣である横手氏、大和田氏、金沢氏が城を拠点に抗戦していましたが、最終的にこの勢力は鎮圧されました。その後、小野寺家は横手に本拠を移し、城の普請が行われたのです。

城の造りには、石畳が使われず、土を盛り上げた土居と崖を整備し、土砂崩れを防ぎました。さらに、攻撃を受けにくくするため、急斜面には韮を植えたことから、別名韮城（にらじょう）とも呼ばれました。

関ヶ原の戦いの際、当時の城主小野寺義道は上杉景勝に通じていたため、徳川家康により西軍とみなされ、1601年に改易となりました。その後、一時的に最上氏の手に渡りましたが、1602年には佐竹義宣が転封され、横手城も佐竹氏の管理下に置かれました。

その後、城代として伊達盛重や須田盛秀、そして戸村義連が就任し、戸村氏が明治時代まで城を守り続けました。元和6年の一国一城令により、県内の支城が破却される中、佐竹氏の働きかけにより横手城は破却を免れました。

戊辰戦争とその後

江戸時代末期の戊辰戦争では、佐竹氏が官軍側として孤軍奮闘しましたが、1868年に横手城は陸奥仙台藩と出羽庄内藩の連合軍に攻撃され、落城しました。これにより横手城は一時的にその機能を失い、1871年に廃城となります。

その後、1879年には戊辰戦争で戦死した22人の霊を慰めるため、焼け残りの城の資材を使用して秋田神社が本丸跡に建立されました。このように、横手城は歴史的な価値を持つ重要な存在であり続けています。

模擬天守と文化財

実際には天守を持たなかった横手城ですが、昭和40年（1965年）に岡崎城をモデルにした模擬天守が二の丸跡に建設されました。これは、東北地方において模擬天守の初見とされています。模擬天守は春には桜が咲き、冬には雪吊りが施されるなど、その四季折々の美しさが楽しめます。

1998年には「横手城跡」として市指定史跡に指定され、この場所の歴史的重要性が改めて認識されました。城跡の本丸には「横手城 本丸跡」の碑があり、秋田神社も再建されています。

アクセス

横手城へのアクセスは、公共交通機関を利用する場合は、JR奥羽本線および北上線の横手駅から徒歩約25分です。自動車の場合は、秋田自動車道の横手ICまたは横手北SICからそれぞれ約10分ほどかかります。これにより、多くの訪問者が歴史的な横手城を訪れやすくなっています。

横手城はその歴史的背景や美しい風景から、秋田県を代表する歴史遺産として観光客に愛され、地域の文化の一部となっています。

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