横沢三郎

横沢 三郎（よこざわ さぶろう）

横沢三郎は、1904年12月16日に台湾で生まれ、95歳で天国へと旅立ったプロ野球選手であり監督の人物です。彼は長い野球人生を通じて、多くの業績を残しました。特に、国民野球連盟理事長やパシフィック・リーグ審判部長という重要な役割を担ったことで知られています。妻は元宝塚歌劇団の花野春子であり、その背景も彼のユニークな一面を彩ります。弟には東京セネタースでプレーした横沢四郎と七郎がいます。

来歴と野球への情熱

横沢三郎は台湾で幼少期を過ごした後、東京府東京市で育ちました。彼は旧制荏原中学校では遊撃手、さらに旧制明治大学時代には二塁手として活躍しました。大学卒業後は社会人クラブチームの東京倶楽部に所属し、都市対抗野球では4度も優勝に貢献しました。これらの経験が、プロ入り後の監督としての資質を磨く原点となりました。

1936年に東京セネタースが設立されると、彼は初代の監督として迎えられました。1937年秋季リーグ戦では選手としてもプレーしましたが、シーズン途中で辞任。その後、東京倶楽部の審判を務めた経験を生かし、プロ野球審判に転向しました。1944年には日本野球連盟の審判部に加わり、その後ほぼ10年間活動しました。

戦後の挑戦と引退

終戦を迎えた1946年、彼は戦前の仲間たちと共に新たなセネタースを設立し、多くの才能を持つ新人を発掘しました。しかし、同年オフに発生した東京急行電鉄による球団乗っ取りに強く反発し、1年で監督職を辞しました。その後、セネタースは「東急フライヤーズ」として新たなスタートを切ることになります。この時期、横沢はプロ野球の監督生活を終わらせました。

1947年には国民野球連盟を設立し事務局長に就任しましたが、日本野球連盟からの妨害により1年で頓挫。この失敗を経て、1949年末にはプロ野球が2リーグ制に移行する際、パシフィック・リーグの審判として球界に復帰しました。

審判としてのキャリア

1951年にパ・リーグの審判部が正式に設立されると、初代の審判部長として組織を導きます。彼は日本シリーズやオールスターゲームの第1回から参加し、1959年までの間にそれぞれ連続出場を果たしました。これらの活動を通じて、横沢は野球界において重要な立場に立ち続けました。

1959年に審判部長の任を二出川延明に譲った後、横沢は引退を決意しました。その後、彼は1988年に特別表彰で野球殿堂入りを果たし、その功績は長く語り継がれています。

最後の時代

横沢三郎は1995年11月28日に90歳で亡くなりました。彼の野球に対する情熱と取り組みは、今なお多くの人々に影響を与えており、プロ野球界の発展に貢献した偉大な人物として記憶されています。

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