横浜いれぶん

横浜いれぶん：木之内みどりの転換期を象徴する一曲

1978年2月25日、木之内みどりの11枚目のシングル「横浜いれぶん」が発売されました。この曲は、それまでの彼女のイメージを一変させる重要な作品となりました。

それまで松本隆氏による作詞で知られた「清純路線」のイメージが強い木之内みどりでしたが、「横浜いれぶん」は、作詞を東海林良氏、作曲を大野克夫氏、編曲を船山基紀氏と、新たな制作陣を迎えて制作されました。この変化は、彼女の音楽性における転換点を明確に示すものでした。

結果として「横浜いれぶん」はスマッシュヒットを記録し、オリコンチャート最高位28位を獲得しました。これは、すでに芸能活動を引退している木之内みどりにとって、ライフタイム・ベストセラーとなっています。当時、年間ベスト50入りは逃したものの、この曲が70年代後半の時代背景を反映した、現在でも色褪せない名曲として広く認識されています。

さらに注目すべきは、「横浜いれぶん」が「無鉄砲」と「一匹狼 (ローン・ウルフ)」と共に、“がらっぱち三部作”と呼ばれる作品群に含まれている点です。この3曲は、木之内みどりの音楽性における重要な転換期を象徴する作品群として位置づけられています。

“がらっぱち”という言葉が示すように、これらの曲は、それまでの彼女のイメージとは異なる、より力強く、そして自由な雰囲気を持つ楽曲です。当時としては斬新なサウンドと、木之内みどりの歌唱力が見事に融合したこれらの楽曲は、多くのリスナーの心を掴みました。

1987年発売の木之内みどり初のベストCD以来、「横浜いれぶん」を含む“がらっぱち三部作”は、数々のCDやデジタル音源で再発されています。そのため、現在でも比較的容易にこれらの楽曲を聴くことができ、当時の音楽シーンを体感することができます。

収録曲

横浜いれぶん (作詞：東海林良、作曲：大野克夫、編曲：船山基紀) - 3分3秒
悪魔になれない (作詞：東海林良、作曲：大野克夫、編曲：船山基紀) - 3分53秒

収録CD

「横浜いれぶん」は、これまでに数多くのコンピレーションアルバムに収録されてきました。その一部を以下に示します。

木之内みどり/プレイバック・シリーズ（1987年11月21日）
木之内みどり（1989年8月21日）
音故知新 / 懐かしいのに新しい（1989年12月21日）
お元気ですか? 木之内みどりwith Love（1990年11月21日）
横浜いれぶん』（オリジナルアルバムのCD復刻）、1990年11月21日）
ゲームCD イントロあてクイズ Vol.2 〜懐かしのアイドル集〜（1996年3月21日）
ポップスの宝庫（1996年11月21日）
(ぽ) 1970（1999年7月23日）
青春歌年鑑'78（2000年11月22日）
MYこれ!クション 木之内みどり BEST（2001年10月17日）
Myこれ!クション カタログ VOL.1（2002年9月19日）
株式会社 NAVレコード ヒストリー2（2003年7月16日）
大野克夫デモテープ集 幻のメロディー（2003年12月21日）
ハーバーライト 〜横浜BEST〜（2004年1月21日）
横浜幻想（ヨコハマ・ファンタジー）（2004年1月28日）
ぼくらのベスト アルバム復刻シリーズ 木之内みどり 2（2004年5月19日）
音盤社史2 〜ポニーキャニオン40周年・うちの息子と同い歳〜 アイドル・歌謡曲・キッズ編（2006年10月1日）
「木之内みどり」SINGLESコンプリート（2007年7月18日）
柳沢慎吾セレクション あばよ!!（2007年10月3日）
硝子坂+シングルコレクション（2008年7月16日）
決定盤!!「歌謡ポップスの時代」ベスト（2008年10月8日）
横濱ノスタルジー 〜あの歌が聴こえる。ヨコハマ〜（2009年5月27日）

これらのことから、「横浜いれぶん」は、木之内みどりの音楽史において、そして日本の音楽史においても重要な位置を占める楽曲と言えるでしょう。

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