横浜市歌

横浜市歌：港町・横浜の象徴

「横浜市歌」は、神奈川県横浜市を象徴する市歌として、市民に広く親しまれています。明治42年（1909年）に横浜港の開港50周年を記念して作られました。作詞は文豪・森鷗外、作曲は東京音楽学校教師の南能衛が手掛けた由緒ある楽曲です。

歴史

横浜市歌は、開港50周年記念大祝賀会で初めて披露されました。横浜市が東京音楽学校に仲介を依頼し、南能衛が作曲、森鷗外が作詞を担当。当時の謝礼は、森鷗外が100円、南能衛が50円でした。

制定当初の楽譜は、高音域や複雑な符点が多く、演奏が難しいものでした。そのため、戦後には普及専門委員会が組織され、編曲・歌詞の現代語化が行われました。

現在の使われ方

横浜市立の学校では、現在も音楽の授業で校歌とともに歌唱指導が行われています。開港記念日や卒業式、市大会などの式典でも演奏され、横浜市民にとっては非常に身近な存在です。

また、横浜市立大学の入学式・卒業式や、横浜市の成人式などの式典でも演奏されるほか、Jリーグの横浜F・マリノスやプロ野球の横浜DeNAベイスターズの応援歌としても使用されています。横浜市営地下鉄の駅構内BGMとしても使用されており、まさに横浜市民の生活に根付いた歌と言えるでしょう。

多様なアレンジ

横浜市歌は、時代とともに様々なアレンジが加えられてきました。2003年には、横浜生まれの作曲家・中村裕介によってブルースバージョンが発表され、新たな魅力が引き出されました。また、近年の横浜開港祭では、毎年異なる吹奏楽編曲が演奏されています。小学校体育大会では、市歌をアレンジしたダンスも披露されています。

2019年以降は、横浜市を拠点とするバンドの楽曲に横浜市歌が収録されるなど、多様な形で市民に親しまれています。

歌詞

現在の歌詞は、以下の通りです。

わが日の本は島国よ　朝日かがよう海に

連なりそばだつ島々なれば　あらゆる国より舟こそ通え

されば港の数多かれど　この横浜にまさるあらめや

むかし思えばとま屋の煙　ちらりほらりと立てりしところ

今はもも舟もも千舟　泊るところぞ見よや

果なく栄えて行くらんみ代を　飾る宝も入りくる港

この歌詞は、横浜が開港によって発展し、国際的な港町として繁栄していく様子を歌っています。

横浜市歌は、横浜の歴史と文化を象徴する、かけがえのない財産です。これからも歌い継がれ、横浜市民の心を繋ぐ歌として、末永く愛されていくことでしょう。

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