横浜市立大学木原生物学研究所

横浜市立大学木原生物学研究所について

横浜市立大学木原生物学研究所（Kihara Institute for Biological Research, Yokohama City University）は、神奈川県横浜市戸塚区に位置する横浜市立大学の附属研究機関です。この研究所は、植物科学に関する幅広い研究および教育活動を行っています。略称は「木原研」や「KIBR」として知られています。

概要と歴史

木原研は、設立者である木原均とその門下生が中心となり、かつて日本の生物学界をリードする重要な研究拠点となりました。横浜市立大学に移管後も、一時的に基礎医学分野でも知られる分所が存在しましたが、現在は植物科学の分野に特化した研究所として活動しています。

この研究所は、6000を超えるコムギや800を超えるトウガラシなどの遺伝資源を有効に活用することを目指し、植物科学の研究に取り組んでいます。また、理化学研究所横浜研究所と連携を結び、共同で研究および教育活動を展開しています。

大学院教育

木原研では、横浜市立大学の以下の研究科・専攻から大学院生を受け入れています。

• - 生命ナノシステム科学研究科
• - 生命環境システム科学専攻

設立の背景

木原研究所は1942年に、日本を代表する遺伝学者・木原均の指導のもと設立されました。当時は第二次世界大戦の真っ只中で、多くの困難に直面しましたが、関係者の努力によって誕生しました。設立当初は圃場や実験室を完備し、細胞遺伝学や生理学、応用遺伝学など複数の分野での研究が行われていました。

戦後は中華民国に接収されてしまった時期もありますが、海南島に支所を設けて亜熱帯環境での研究が進められました。その後、木原研は京都大学に譲渡され、現在は同大学の植物生殖研究施設として活用されています。

横浜市への移転

1957年に、木原研は横浜市南区に移転し、広大な敷地に新しい研究施設が整いました。その後、1969年には三島分室が設立され、1982年に設立40周年を迎えました。その頃、研究所は公的機関に寄付されることとなりました。

1984年、木原研は横浜市立大学に移管され、横浜市立大学木原生物学研究所と改名されました。移管当初は旧医学部の施設を利用して分所としての研究が行われましたが、1994年に戸塚区へ新たに移転し、植物工学や生物化学などの研究部門が加わり、研究体制が整いました。

現在の活動

現在の木原研は、植物科学を主軸とする部門で構成されており、研究所内ではさまざまな植物関連の研究が日々行われています。具体的には、植物遺伝資源科学部門、植物ゲノム科学部門、植物応用ゲノム科学部門、植物エピゲノム科学部門の4つの基幹部門があります。

木原記念室

2010年には、木原研内に木原記念室が開設され、木原均に関する資料や記念品が展示されています。この記念室は一般公開されており、特別な講演会には皇族も参加されるなど、多くの注目を集めています。

木原研の研究成果は、日本国内外の植物科学の発展に寄与しており、今後もさらなる研究の進展が期待されています。

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