横瀬車両基地

横瀬車両基地について

横瀬車両基地（よこぜしゃりょうきち）は、埼玉県秩父郡横瀬町に位置している西武鉄道の車両基地です。1970年に開設され、西武秩父線横瀬駅の近くにあるこの基地は、主に電気機関車と貨物車両の検査、保守、修繕作業を行っています。特に貨物車両については全般検査が行われていましたが、1996年に貨物列車の運行が終了した後は、主に保線用の車両に特化した検修が行われています。それでも、2008年および2010年に検修対象の車両がすべて廃車されて以降は、静態保存車両の管理が主な業務となっています。

基地の設備

この基地の敷地面積は約10,392平方メートルで、構内には7本の線路と4本の引き込み線があります。検修棟は450メートルおよび240メートルのピットを備えており、車両の検査作業に利用されます。特に重要なのは、保存車両の整備を手掛ける職員の多くが武蔵丘車両検修場から派遣されている点です。

一般公開イベント

横瀬車両基地では、毎年秋に「西武トレインフェスティバル in 横瀬」という一般公開イベントが開催されます。このイベントは、1994年から続いているもので、多くの鉄道ファンや家族連れで賑わいます。内容としては、保存車両の展示、撮影会、鉄道関連のグッズ販売、さらにはミニSLの運転などが行われるため、訪れる人々にとって楽しみなひとときとなります。特に注目すべきは、池袋駅から横瀬駅までの臨時列車運行です。

イベント開始以来、様々な特別運転が行われており、地元の人々とのつながりが深まる機会にもなっています。例えば、2014年には横瀬を発着する特急列車が運行されるなど、年によって趣向を凝らした内容が展開されています。

保存車両

基地内では、多数の静態保存車両が展示されています。特に、初代レッドアローの5000系クハ5503や、2代目特急車両の10000系10101編成、さらには4ドア通勤電車の2000系クハ2001など、多彩な車両が保存されています。これらの車両は、鉄道の歴史や文化を伝える重要な役割を果たしています。

さらに、動態保存車両として、廃車車両の入換えに使用されるD16ディーゼル機関車もあり、実際の運行にも寄与しています。そのため、訪問者は実際の運転を見ることも可能です。

最近の動向

最近のイベントでは、地元の食材や酒の試飲を楽しめる「ちちぶ車両基地酒場」など、新しい取り組みも行われています。また、2024年には「ちちぶ＆よこぜ車両基地フェスタ」が開催される予定で、地域の活性化を目指した取り組みが継続しています。

このように、横瀬車両基地は歴史的な価値を持つ車両の保存と地域の観光資源としての役割を兼ね備えており、多くの鉄道ファンや観光客に愛されている場所です。今後もその役割は続き、多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

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