樫の木モック

『樫の木モック』について

『樫の木モック』は、タツノコプロによって制作されたテレビアニメで、1972年1月から12月までフジテレビ系列で放送されました。この作品は、カルロ・コッローディの名作『ピノッキオの冒険』を独自にアレンジしたものであり、全52話から成ります。作品全体の平均視聴率は約11.9%であり、多くの視聴者に親しまれました。

主な登場人物

モック

本作の主人公であり、原作のピノキオに相当します。物語の初めでは無邪気で世間知らずのやんちゃ坊主でしたが、後半では「悪魔の人形」として役人に追われる立場になってしまいます。しかし、逃避行の中で多くの人々と出会い、時には彼らを救うことで心身ともに成長していきます。物語の最後には、町を守るために自ら名乗り出て、その犠牲として命を捧げます。しかし、その瞬間に人間の男の子として復活を遂げるという感動的な展開が待っています。

お爺さん

モックの生みの親で、原作のゼペットに相当します。彼は普段は優しい父親のように接する一方で、時には厳しくもあります。後半では、モックが「悪魔の人形」として狙われた際、自身の息子として彼を守ろうと奮闘する姿が描かれています。

妖精

瑠璃色の髪を持つ女神で、原作における妖精に相当します。彼女はモックに自身の命を捧げることで、彼を人間の男の子に変える最後の役割を果たします。

コオロギ

百年生きた賢いコオロギで、始めはモックに厳しく教えたり、痛い目を遭わせたりしますが、次第に良き相棒となります。

スタッフ陣

アニメの企画と制作は吉田竜夫が担当しました。構成は鳥海尽三が行い、総監督は九里一平から原征太郎へとバトンタッチされました。また、音楽は越部信義によって作曲され、アートとデザインには多くの才能あるクリエイターが関与しています。

主題歌と挿入歌

本作には、オープニングテーマやエンディングテーマがあり、いずれも丘灯至夫が作詞し、小野木久美子が歌っています。特に「ボクは悲しい木の人形」など、感情豊かな楽曲が物語に彩りを添えています。

各話リストと放送局

『樫の木モック』は、フジテレビをはじめとする多くの系列局で放送され、全国的に視聴可能でした。放送時間は毎週火曜日の19:00から19:30に設定され、多くの地域で同時に放送されました。

劇場版

『樫の木モック』は、東宝チャンピオンまつりでブローアップ版が上映されました。特に子供たちに向けた内容にリブランドされ、幅広い観客に楽しんでもらう工夫がなされました。

このように『樫の木モック』は、原作に新たな解釈を加えた魅力的な作品であり、そのキャラクターの成長や感情的な物語が視聴者に深い印象を与え、多くの子供たちの心に残ったことでしょう。

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