樽見鉄道ハイモ295-510形気動車

樽見鉄道ハイモ295-510形気動車

樽見鉄道ハイモ295-510形気動車は、2005年に製造された樽見鉄道の気動車で、18 m級の車体を採用した初の車両です。本記事では、この気動車の詳細や運用状況について詳しく解説します。

概要

樽見鉄道は1984年に国鉄樽見線を第三セクターに転換し開業しました。その際、数々の車両が投入されましたが、ハイモ295-510形は老朽化したハイモ180-200形の代替として登場しました。形式名の「ハイモ」は「ハイスピードモーターカー」の略称で、295は馬力を示しています。2005年に1両が製造され、その後の運営に欠かせない存在となりました。

ハイモ295-510形は、先行して製造されたハイモ295-310形との違いとして、車体の長さが2メートル延長された18メートルの設計が特徴です。エンジンには、電子制御のPF6HT03ディーゼルエンジンが搭載され、輸送能力の向上が図られています。また、他の既存車両との連結運転が可能で、多様な運用スタイルに対応しています。

車体仕様

この車両は前面が貫通式となっており、左側には乗務員室と専用の扉が付いています。客用扉は片側に2か所設けられており、ホーム高さに対応したステップと車椅子用の脱着式スロープが用意されています。窓は上段が固定、下段が開閉可能な2段窓が４ヶ所、その他の窓は固定窓となっています。

外観は樽見鉄道の標準塗装である青を基調とし、2024年には本巣市の市制20周年を記念するラッピングが施され、愛称は「モトスミライ号」とされています。行先表示器はLED式で、車両の視認性を高めています。

車内設計

車内はバケット式ロングシートで統一され、車椅子スペースも確保されています。このような設計はバリアフリーへの配慮として評価されており、車椅子利用者も快適に移動できるように工夫されています。

走行メカニズム

ハイモ295-510形には、エンジンとして日産ディーゼル製のPF6HT03ディーゼルエンジンが採用され、出力は217 kWです。動力は液体変速機を介して台車に伝達され、ボルスタレスの空気ばね式台車が使用されています。この構造は、乗り心地や走行性能の向上に寄与しています。制動装置は、SME三管式直通ブレーキを利用しており、安全な運行が可能です。

空調装置

この気動車は暖房にエンジンの排熱を利用した温風式を採用し、冷房装置としてはデンソー製の機関直結式冷房装置が2台搭載されています。これにより、四季を通じて快適な車内環境を提供します。

運用状況

製造以来、ハイモ295-510形は樽見線全線で運用されており、従来のハイモ180形の代替として機能しています。また、特に多客輸送が見込まれるイベント時には、大人気を博しています。これらの特長により、樽見鉄道の運行における重要な役割を果たしています。

情報提供や利用者からのフィードバックを基に、今後も品質向上に努め、地域への貢献を続けるでしょう。

もう一度検索