橋元親

橋元 親（はしもと ちかし）

橋元親は、1923年1月15日に生まれ、2000年1月29日に肺炎で亡くなった日本の柔道家です。彼は講道館9段を取得し、大日本武徳会の錬士としても称賛されました。天理大学柔道部や旭化成柔道部の指導者として活躍し、また全日本柔道連盟の参与や近畿地区柔道連盟の評議委員、さらには関西学生柔道連盟の会長なども歴任しました。

生い立ちと柔道との出会い

宮崎県延岡市に出生した橋元は、中学に入学すると同時に病弱だったため、剣道部に入部しました。しかし2年生になると柔道部に転向し、ここから本格的に柔道の道を歩み始めます。彼は武道専門学校出身の平野直から指導を受け、学校と自宅を片道15km自転車で通うことで足腰を鍛えていきました。彼は中学卒業時には3段に昇進し、その後も武道専門学校で厳しい修行を重ね、仲間たちとの熱い稽古によって成長していきました。

橋元は1943年に学徒出陣のために学校を卒業し、帝国海軍で特攻隊の訓練を受けることとなりますが、終戦を迎え、出陣することはありませんでした。

戦後の復活と活躍

1948年に宮崎県警の柔道部に再加入しましたが、5年のブランクにより技術の低下を実感しました。しかし「一から出直し」と決意し、講道館に通いつつ再び柔道に取り組みました。その結果、1949年には全日本東西対抗大会で優秀選手に選ばれ、1952年には全日本選手権大会で石川隆彦と対等に戦います。さらに、宮崎警察柔道部では3連覇を達成し、全国警察大会で優勝するなど、数々の功績を残しました。

福岡県警への転籍と指導者としての道

1952年に福岡県警に移籍後も多くの大会で活躍しました。1969年には国際柔道審判員としても活動し、海外での指導にも尽力しました。1970年代には8段まで昇進し、1985年に天理大学を定年退職した後、旭化成にて柔道師範として指導を続けました。

最後の時期と息づく偉業

1992年には講道館創立110周年記念式典で9段に昇進し、「虚弱体質だった私が柔道を習い始めて50年余、今後は益々精進努力を重ねて柔道を通じて御恩返しをしなければ」との感慨を漏らしました。最終的には、2000年1月29日に肺炎によって78歳で亡くなりました。

彼の生涯は、日本柔道の発展と普及に大きく寄与し、多くの弟子たちに影響を与えたことは間違いありません。橋元親の名は柔道界の歴史の中で、今後も語り継がれることでしょう。

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