橋本南海男

橋本 南海男（はしもと なみお）

日本の実業家。沖電気工業株式会社の経営者として知られ、社長および会長の要職を歴任した人物。

大正11年（1922年）1月8日、群馬県に生まれる。学問への関心が高く、高等教育機関での学びを経て、昭和21年（1946年）に京都帝国大学工学部電気工学科を卒業した。同年、日本の主要な電機メーカーの一つである沖電気工業株式会社に入社。技術畑あるいは管理部門で研鑽を積み、長年にわたり同社の発展に貢献した。

入社から四半世紀を経て、橋本氏は経営の中枢へと進む。昭和45年（1970年）には取締役に就任し、会社の重要な意思決定に関わる立場となった。その後も順調に昇進を重ね、昭和50年（1975年）には常務取締役に、そして昭和54年（1979年）6月には専務取締役に就任。これらの役職を通じて、企業経営における手腕を発揮した。

昭和57年（1982年）5月、橋本氏はついに代表取締役社長に就任する。国内外の経済環境が常に変化する中で、沖電気工業の最高経営責任者として、企業の舵取りを担い、事業戦略の策定や推進においてリーダーシップを発揮した。社長職を約6年間務めた後、昭和63年（1988年）6月には代表取締役会長に就任。経営の第一線からは一歩引いた形となったが、なおも豊富な経験と識見をもって会社の運営を支えた。

平成4年（1992年）10月には相談役に退き、翌平成5年（1993年）6月には特別顧問として、会社の意思決定からは距離を置きつつも、その知見を提供し続けた。

企業人としての功績は国からも認められている。昭和58年（1983年）11月には、公共の利益に貢献した者に贈られる藍綬褒章を受章した。さらに、平成4年（1992年）11月には、国家または公共に対する功労者に授与される勲二等瑞宝章を授与された。これらの受章は、彼が企業活動を通じて社会に多大な貢献をしたことの証である。

平成9年（1997年）12月11日、急性心不全のため逝去。享年75歳であった。沖電気工業における長年のキャリアを通じて、同社の経営を主導し、日本の産業界において確固たる地位を築いた人物として記憶されている。

参考文献
* 興信データ株式會社編『人事興信録 第39版 下』興信データ、1997年。

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