橋立 (防護巡洋艦)

橋立（はしだて）について

橋立は、日本海軍の海防艦または防護巡洋艦として位置付けられる艦艇です。この艦は1898年に二等巡洋艦として分類され、1922年には二等海防艦に変更されました。名称は日本の名所である天橋立に由来しています。また、橋立の名は砲艦に受け継がれ、現在でも海上自衛隊の特務艇として「はしだて」として活躍しています。

建造の背景と艦型

橋立の建造は、当時の海軍の国産技術向上への努力の一環で行われました。「松島」などの艦艇と同様に、橋立も国産艦として艦型が設計されましたが、当時の技術力ではやや無理を強いられた部分がありました。このため、建造には他の艦よりも長い時間がかかり、完成は日清戦争の開戦直前となりました。こうした背景から、橋立の竣工を待って開戦に踏み切ったとの説も存在しています。

橋立は日清戦争において、松島や厳島と共に戦い、清国北洋艦隊を撃破しました。また、日露戦争でも第三艦隊第五戦隊の旗艦として活躍し、その存在感を示しました。橋立の主砲は32cm（38口径）単装砲が搭載されており、その艦形は厳島に似ている部分もありましたが、副砲の装備は異なる点がありました。また、艦内には修理用の工場も設けられていました。

艦歴と主要戦争への参加

橋立の建造は1887年に始まり、1888年には起工、1891年に進水、1894年に竣工しました。日清戦争が始まる1895年には連合艦隊の一員として黄海海戦に参加し、大連や旅順、澎湖島の攻略など戦況を有利に進める役割を果たしました。その後、1898年には二等巡洋艦に類別されました。

1904年の日露戦争開戦時には第三艦隊第五戦隊の旗艦として、旅順攻略作戦や黄海海戦、日本海海戦に参加し、戦果を挙げました。戦後も改修を受けつつ、1912年には二等海防艦に類別が変更され、1922年に軍艦籍から除籍されるまで多様な任務をこなしました。

最後の運命

1922年に除籍された後、橋立は雑役船に編入され練習船として使用され、その後1925年には修理の価値が無いとされ廃船となりました。最終的には解体され、この艦はその長い歴史に幕を閉じました。橋立の艦長は数人にわたり交代し、戦争を通じた艦の運用に寄与した多くの指揮官がいました。

結論

橋立は日本海軍において重要な役割を果たした艦であり、日清戦争や日露戦争における活躍からもその存在の大きさが伺えます。艦名が今でも受け継がれていることは、歴史的な価値だけでなく、その活躍を称える意義も持っています。

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