橘丸 (東海汽船・3代)

橘丸（たちばなまる）

橘丸は、東海汽船が運航する貨客船であり、1986年に完成した「かめりあ丸」を置き換えるために建造されました。この船は三菱重工業下関造船所で建設が進められ、2014年6月4日に竣工し、同年6月27日より正式に運航を開始しました。

機能と特徴

本船の総トン数は5,700トンであり、名前「橘丸」は2012年5月に画家であり東海汽船名誉船長である柳原良平によって選ばれました。船体のデザインも柳原の手によるもので、基調色には先代の橘丸と同様のイエローオーカーを採用しつつ、オリーブ色をアクセントにしています。特に、この命名には「橘丸事件」に関連して反対意見も存在しましたが、最終的にこの名前が選ばれました。

先進的な推進システム

橘丸は、東海汽船の船舶として初めて、ディーゼル機関と電動アジマススラスターを組み合わせた複合推進システムを採用しています。また、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が推進する電気推進システムを搭載したスーパーエコシップ旅客船（SES）の一つであり、独自のタンデムハイブリッド方式推進システムを導入している点も特筆すべきです。このことから、歴史的にも重要で、SESにおいてタンデムハイブリッド方式が採用されたのは本船が初めての旅客船となります。さらに、本船は24番目のスーパーエコシップとしての位置付けを持ち、鉄道・運輸機構が保有する船の中で1,000隻目となる特別な存在です。

航路と運航状況

橘丸は主に東京（竹芝）から三宅島、御蔵島、八丈島を結ぶ航路を運航しています。通常、この八丈島航路での運航がメインですが、過去には2015年10月と2023年2月に御蔵島での接岸時に船首を破損したため、応急処置を施したうえで東京 - 神津島航路にも運航されたことがあります。この際、八丈島航路は別の船舶であるさるびあ丸（2代目および3代目）が代行しました。

まとめ

橘丸はその先進的な設計と環境に配慮した推進システムを持つ貨客船として、今後も重要な役割を果たし続けることでしょう。これにより、多くの乗客にとって安心・安全な移動手段となることが期待されます。

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