橘公園通り

橘公園通り

橘公園通りは、宮崎県宮崎市に位置する、全長約800メートルの美しい景観道路です。宮崎市役所前の橘橋北詰から日豊本線に至る大淀川左岸沿いに、橘公園に寄り添うように東西に伸びています。正式名称は宮崎市道川原通線で、幅は約7メートル。道の南側には大淀川が流れ、護岸と道路の間には芝生の広がる橘公園が広がっています。

通りには数十本のフェニックスが街路樹として植えられており、南国ムードを演出しています。沿線には高級ホテルや旅館が立ち並び、宿泊客や市民が昼夜を問わず散策を楽しむ姿が見られます。この美しい景観は、1987年に「日本の道100選」にも選定されました。

橘公園

橘公園は、第二次世界大戦後の復興事業の一環として整備され、1948年に開園しました。1954年には、宮崎交通によって休憩所であるロンブルテントが31ヶ所設置され、同時に51本のフェニックスが植えられました。この時の整備が、現在の公園の基礎となっています。1955年に管理が宮崎市に移管され、1970年代には橘橋の架け替えに伴い公園の形状が変更されました。1996年から1998年にかけて再整備が行われ、現在の姿に至ります。

公園内には、赤と白、青と白のストライプ柄が特徴的なロンブルテントが点在しています。これらのテントは、公園の風景に彩りを添えるとともに、休憩所としての役割も果たしています。また、公園内には歌人・長塚節が宮崎を詠んだ歌碑も建立されています。通りや公園からは、霧島山系の山々を遠望でき、特に夕日が沈む景色は息をのむほどの美しさです。

この夕景に魅せられたのが、小説家の川端康成です。1964年にNHK連続テレビ小説『たまゆら』の執筆のために宮崎を訪れた際、この場所の夕日の美しさに感動し、当初2日間の予定だったホテル滞在を15日間に延長したという逸話があります。橘公園内には、『たまゆら』の記念碑も建てられています。



橘公園通りと橘公園は、宮崎市の自然と文化が調和した、歴史と魅力あふれるスポットです。訪れる人々に、やすらぎと美しい風景を提供し続けています。

参考資料

「日本の道100選」研究会 著、国土交通省道路局（監修） 編『日本の道100選〈新版〉』ぎょうせい、2002年6月20日、214-215頁。ISBN 4-324-06810-0。

関連項目

橘通り
橘橋
宮崎リゾート温泉

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