橘通り (宮崎市)

宮崎市の中心動脈：橘通りとその周辺

宮崎市の中心市街地を象徴する橘通りは、市役所前交差点から江平五差路まで約1.8km続く道路です。その名称は、橘橋に由来しています。特に市役所前交差点から橘通三丁目交差点までの約900m区間は、活気あふれる中心的な繁華街として知られています。本記事では、橘通りとその周辺の都市計画道路である橘通線、そして橘通東一丁目～五丁目・橘通西一丁目～五丁目の町名についても詳しく解説します。

橘通りの多様な顔

橘通りは、単なるメインストリートではなく、区間ごとに異なる特徴を持っています。東・西一丁目、二丁目は、歴史ある個人商店やホテルが軒を連ね、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。恵比須通りとの交差点を過ぎると、雰囲気は一変します。橘通三丁目は、百貨店や複合商業ビルが立ち並び、人通りも最も多い賑やかなエリアです。路地裏には、中小の商店街が複雑に入り組んでおり、独特の活気があります。

さらに北上すると、橘通四丁目は金融機関のオフィスビルやマンションが集中するビジネス街となり、五丁目ではマンションやホテルに加え、卸売業者が集積しています。そして、江平五差路で橘通りは終点を迎えます。なお、朝夕のラッシュアワーには、各車線の歩道側にバス専用レーンが設けられています。

沿道の商店街：多様な魅力

橘通り沿いには、いくつかの商店街が形成されています。橘通一丁目商店街、橘通二丁目商店街、橘通名店街、橘通三番街商店街、そして橘通中央商店街など、それぞれが個性豊かな店舗を擁し、地域住民や観光客に親しまれています。これらの商店街は、橘通りの歴史と文化を色濃く反映しています。

歴史と変遷：中心市街地の移り変わり

明治時代までは、赤江港を擁する大淀川南岸の中村・城ヶ崎地区が中心市街地でした。しかし、輸送手段が船舶から鉄道へと移り変わると、大淀地区は次第にその地位を失い、中心市街地は県庁のある北岸へと移転していきました。戦前までは、現在の橘通東・西一丁目、二丁目や旭通りが中心でしたが、1950年代以降、橘通五丁目（現在の橘通東・西三丁目）周辺に映画館や百貨店が次々とオープンし、橘通りの賑わいは大きく変化しました。特に、橘百貨店の開業（1952年）や宮崎山形屋の移転（1956年）は、このエリアの活性化に大きな役割を果たしました。

しかし、1990年代以降はモータリゼーションの進展に伴い、郊外型店舗の進出が加速し、中心市街地の衰退も懸念されるようになりました。

重要な出来事

1952年：橘百貨店開業（現・橘通西三丁目）
1956年：宮崎山形屋移転（現・橘通東三丁目）
1963年：宮崎市役所移転（現・橘通西一丁目）
1965年：デパート前交差点のロータリー撤去
1967年：中央分離帯の設置、現行の幅員構成となる
1973年：一丁目～三丁目の歩道部にアーケード完成
1973年：宮崎寿屋百貨店開業（橘通東四丁目）
1984年：MRT micc開業（宮崎放送移転、橘通西四丁目）
1990年：新アーケード完成
2003年：宮崎寿屋百貨店、カリーノ宮崎に業態転換
* 2006年：宮崎山形屋新館オープン

橘通りを彩るイベント

橘通りでは、年間を通して様々なイベントが開催されています。毎年8月上旬に行われる「まつりえれこっちゃみやざき」では、ダンスコンテストや市民総踊りなどが行われ、街全体が活気に満ち溢れます。また、10月下旬の「宮崎神宮大祭」では、神賑行列が橘通りを練り歩き、伝統と神聖さを感じさせる光景が広がります。さらに、11月から年末にかけては、約30万個の電球を用いた幻想的なイルミネーションが、街全体を美しく彩ります。

橘通線（都市計画道路）

橘通線は、宮崎広域都市計画道路3・2・1号として指定されており、橘橋南詰交差点から芳士交差点までを結ぶ主要な都市計画道路です。橘通りはその一部を構成しています。

橘通（町名）の歴史

町名としての橘通は1927年に誕生しました。当初は橘通りを挟んで橘通一丁目から六丁目までが一つの町域を形成していましたが、1966年と1969年の住居表示変更により、橘通りを境に橘通東と橘通西の町名が設定されました。

橘通り公園化計画

宮崎市では現在、「宮崎市中心市街地活性化計画」を進めており、その主要項目として「橘通りの公園化」が掲げられています。車の交通量を抑制し、歩行者中心の街づくりを目指す計画です。その手段の一つとして検討された国道220号の4車線化計画は、住民からの反対意見が多数を占めたため、事実上断念されました。

まとめ

橘通りは、宮崎市の歴史、文化、経済活動を象徴する重要な場所です。これからも、その賑わいと魅力を守りながら、更なる発展が期待されます。将来的な公園化計画も踏まえ、中心市街地の活性化に向けた取り組みが注目されます。

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