機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は、1988年に公開された劇場版アニメーション作品。ガンダムシリーズの生みの親である富野由悠季が監督を務め、アムロ・レイとシャア・アズナブルという、シリーズを代表する2人の宿敵の最後の戦いを描いています。

概要

本作は、テレビアニメの再編集ではなく、劇場オリジナル作品として制作された初のガンダム映画です。宇宙世紀0093年を舞台に、長きにわたる因縁に終止符を打つべく、アムロとシャアが激突します。

公開時のキャッチコピーは「宇宙世紀0093 君はいま、終局の涙を見る…」。

あらすじ

宇宙世紀0093年。グリプス戦役後、消息を絶っていたシャア・アズナブルは、ネオ・ジオンを率いて地球連邦に反旗を翻します。地球に住む選ばれた人間だけが宇宙の富を独占する状況を打破するため、小惑星を地球に落とすという過激な手段に出ようとするシャア。

一方、アムロ・レイは、連邦軍の外郭部隊ロンド・ベルに所属し、シャアの野望を阻止しようと奔走します。新型モビルスーツ、ν（ニュー）ガンダムを駆り、シャアの駆るサザビーとの最終決戦に挑みます。

戦いの裏では、ニュータイプ能力を持つ少女、クェス・パラヤの存在が、アムロとシャアの運命を複雑に絡み合わせます。地球へのアクシズ落としを阻止すべく、アムロはνガンダムでアクシズを押し返そうとしますが、その時、人々の想いがサイコフレームを通して奇跡を起こします。

登場人物

アムロ・レイ: 地球連邦軍のニュータイプパイロット。νガンダムに搭乗。
シャア・アズナブル: ネオ・ジオンの指導者。サザビーに搭乗。
ブライト・ノア: 地球連邦軍ロンド・ベルの司令。
クェス・パラヤ: ニュータイプの少女。シャアに惹かれ、行動を共にする。
ハサウェイ・ノア: ブライトの息子。クェスに惹かれる。
ナナイ・ミゲル: シャアの側近。

登場兵器

νガンダム: アムロ・レイ専用の新型モビルスーツ。サイコフレームを搭載。
サザビー: シャア・アズナブル専用の新型モビルスーツ。サイコフレームを搭載。
リ・ガズィ: ロンド・ベルの主力モビルスーツ。
ジェガン: 地球連邦軍の量産型モビルスーツ。
ヤクト・ドーガ: ネオ・ジオンのニュータイプ専用モビルスーツ。
α・アジール: クエスが搭乗する大型モビルアーマー。

スタッフ

監督・脚本: 富野由悠季
キャラクターデザイン: 北爪宏幸
メカニカルデザイン: 出渕裕
音楽: 三枝成章

評価

本作は、アムロとシャアの最後の戦いを描いた作品として、多くのガンダムファンから支持されています。ニュータイプ論や政治的な要素、そして人間ドラマが複雑に絡み合った重厚なストーリーは、見る者に深い感動を与えます。

公開当時から賛否両論ありましたが、現在ではガンダムシリーズを代表する名作として評価されています。

関連作品

小説版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』: 富野由悠季による小説。
小説版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』: 映画の初期稿を基にした小説。
* 漫画版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』: 複数の漫画家によるコミカライズ作品。

その他

本作は、ガンダムシリーズにおいて初めて3DCGを導入した作品でもあります。スペースコロニーの描写などにCGが使用され、セル画との質感の差を低減するために様々な工夫が凝らされました。

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は、ガンダムシリーズの歴史において重要な作品であり、多くのアニメファンに愛され続けています。

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