機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス

機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス

『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』（GUNDAM VS. IDEON）は、日本の漫画作品であり、矢立肇・富野由悠季が原案、長谷川裕一が漫画を手掛けている。本作は、アニメ作品群「ガンダムシリーズ」と『伝説巨神イデオン』を題材にしたクロスオーバー作品で、バンダイ出版課の漫画雑誌『サイバーコミックス』に連載された後、単行本としてまとめられた。物語は宇宙世紀0091年を舞台にし、特に『機動戦士ガンダムΖΖ』と『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の間の「仮想作品」として位置づけられている。

制作の背景

長谷川裕一は、友人のこやま基夫に誘われて参加したガイナックスの忘年会で、偶然出会った『サイバーコミックス』の編集者からガンダムに関する漫画の依頼を受けた。編集者からは、「サンライズはもはやアムロやシャアを使わないので自由に描いていい」と言われたが、長谷川はその背景に思いを巡らせながらも、「ガンダムVSイデオン」のコンセプトを提案した。しかし、ギャグ漫画と誤解されたためタイトルは「ガンダムVS伝説の巨神」となり、最終的には全4話が描かれることになった。

長谷川は、「東映まんがまつり」のような作品からインスピレーションを受け、自身の作品もまた対立構造の強い内容にしようと考えた。

物語の展開

物語は宇宙世紀0091年、木星圏で働くジュドー・アーシタが、アムロ・レイの訪問を受けるところから始まる。アムロは、地球から木星へ向かってきた艦船に乗り、ジオンの残党が開発した超大型モビルスーツの存在を探るためにジュドーのもとに駆けつけた。この巨神は木星出身の作家、ヨシユキ・トミノの小説に登場するロボットに由来するもので、アムロはその存在を真剣に捉えていた。

アムロの部下であるシマと鉄面皮、さらにメガゼータに乗るジュドーとアムロの4人は、木星圏の小惑星で「伝説巨神」とジオンの基地を発見する。シマと鉄面皮が囮になりつつ、ジュドーとアムロが内部に潜入。しかし、ジュドーは助けを求める声を聞き、ミネバ・ザビを救出しよう試みるが、未だ混乱が続く。ミネバを巡る真実と、彼女が敬愛するハマーン・カーンを殺した犯人であるという事実から来る葛藤が描かれる。

この中で「伝説巨神」は人々が長い間争ってきたことの象徴であり、彼を監視する無限力という存在がジュドーとアムロの前に現れる。無限力は、過去の争いを繰り返さないようにするために力を分け与えたと語るが、ジュドーはその考えを退ける。ミネバを救出したジュドーは、巨神がアムロとシャアの攻撃により破壊されることを確認する。

最終的に、アムロは地球圏への帰還を決意し、ジュドーのもとには「ミネバ・アーシタ」として彼女が残されることとなる。

登場人物の詳細

• - ジュドー・アーシタ：第一次ネオ・ジオン抗争で活躍し、現在は木星圏のコロニーで生活している。もう二度と軍には関わらない決意を抱いていたが、アムロと共に行動を共にする。
• - アムロ・レイ：元々の英雄であり、木星圏に非公式に現れ、ジュドーと共に行動。彼は戦いの中で、漠然とした不安を抱える。
• - シマ・八丈、鉄面皮：アムロの部下であり、戦闘に参加するが、シマはデータ分析の専門家である。
• - ミネバ・ザビ：伝説巨神の動きに関わる重要なキャラクターで、ジュドーとの間に物語の重要な心情が展開される。
• - ヒトーリン：木星圏で悪事を計画した士官で、最終的にはシャアによって除かれる。
• - シャア・アズナブル：物語後半で現れる重要人物で、アムロと共に巨神に立ち向かう。

結び

この作品は、長谷川の想像力によって、ガンダムと『イデオン』という二つの宇宙をリンクさせており、キャラクターたちは新たな関係性を発展させていく。クロスオーバーの傑作として高く評価され、『スーパーロボット大戦シリーズ』のプロデューサーもその影響力を称賛している。

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