檀上寛

檀上寛

檀上寛（だんじょう ひろし、1950年6月 - ）は、日本の中国史学者で、京都女子大学名誉教授。専門は明代初期の政治史。

経歴

1950年6月、長崎県佐世保市に生まれる。幼少期に兵庫県神戸市へ転居し、1969年3月に兵庫県立長田高等学校を卒業。京都大学に進学し、1975年3月に文学部東洋史学科を卒業。その後、同大学院に進み、1977年3月に文学研究科東洋史学専攻修士課程を修了。1980年3月には同博士課程を単位取得満期退学。

研究者としてのキャリアは、1983年4月に堺女子短期大学専任講師として始まる。1984年4月には同助教授に昇任。1987年4月、富山大学人文学部助教授。1992年4月に京都女子大学文学部助教授、1995年4月に教授に就任。2005年4月から2007年3月にかけては、文学部長を務めた。2016年3月に京都女子大学を定年退職し、名誉教授となる。

1997年3月、学位論文『明朝専制支配の史的構造』で京都大学より博士（文学）の学位を取得。

研究内容と業績

檀上寛氏は、明代初期の政治史、特に明朝の創始者である朱元璋や、その後の永楽帝の時代を中心に研究を行っている。明朝の政治体制、社会構造、対外関係など、多岐にわたるテーマに取り組み、明代史研究に大きく貢献している。

著書では、朱元璋の生涯を描いた『明の太祖 朱元璋』や、永楽帝の時代を扱った『永楽帝—中華「世界システム」への夢』、『永楽帝—華夷秩序の完成』などがある。これらの著作を通じて、明代の政治、外交、社会について深く掘り下げた分析を展開している。

また、『明代海禁＝朝貢システムと華夷秩序』では、明代の対外政策である海禁政策と朝貢貿易システム、そして華夷秩序との関係について論じている。近年の著書である『天下と天朝の中国史』や『陸海の交錯　明朝の興亡』では、中国史全体を視野に入れつつ、明朝の興亡を多角的に考察している。

著書

『明の太祖 朱元璋』「中国歴史人物選9」白帝社 1994／ちくま学芸文庫 2020
『明朝専制支配の史的構造』汲古叢書 汲古書院 1995
『永楽帝—中華「世界システム」への夢』講談社選書メチエ 1997
『永楽帝—華夷秩序の完成』講談社学術文庫 2012
『明代海禁＝朝貢システムと華夷秩序』東洋史研究叢刊 京都大学学術出版会 2013
『天下と天朝の中国史』岩波新書 2016
『陸海の交錯　明朝の興亡』岩波新書「シリーズ中国の歴史④」2020

共編著

『東アジア海洋域圏の史的研究』京都女子大学東洋史研究室編 京都女子大学叢刊39 2003
* 『中国人物列伝』木田知生共編 恒星出版 2005

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