檸檬 (岩崎宏美の曲)

『檸檬』について

『檸檬』（れもん）は、1982年2月5日に発売された岩崎宏美の27枚目のシングルです。この楽曲は、前年に展開された「草花シリーズ」に続く新たなテーマ「ロマンティック・ポップス」を掲げた第一弾としてリリースされました。岩崎はシングルのリリースにあたって、しっとりとしたメロディにのせて、ロマンティックな気持ちを表現しようとしました。

背景

岩崎宏美は、そのキャリアの中で数多くのヒット曲を生み出してきた実力派のアーティストです。1980年10月にリリースされた「摩天楼」以来、彼女のシングルを手がけてきた作詞家・松本隆が再び関わり、この作品に命を吹き込んでいます。松本は、才能豊かな言葉の選び方や表現力で知られ、彼の作詞によって多くの楽曲が名曲と称されています。

曲の内容と制作

シングルに収録された楽曲は、以下の2曲です：
1. 檸檬（3分9秒）
2. 影絵（シルエット）（3分49秒）

どちらの曲も作詞は松本隆、作曲は鈴木キサブロー、編曲は萩田光雄が担当しています。この三者の初コラボレーションによって、独自の芸術性と創造性が引き出されました。「檸檬」はその名の通り、さわやかで明るいサウンドが特徴的で、心に残るメロディが印象的です。対して「影絵（シルエット）」は、よりしっとりとした雰囲気を持ち、深い感情が込められています。

商業的成功

当初、「檸檬」はロマンティック・ポップスをテーマとした作品としてリリースされましたが、実はこのシングルに続く予定だった「聖母たちのララバイ」が次にミリオンセラーのヒットを記録し、結果的に「ロマンティック・ポップス」のテーマ自体はあまり強調されずに終了しました。しかし、これにより岩崎宏美の音楽スタイルは一層多様化し、さまざまなジャンルで活躍するきっかけとなったのです。

影響とその後

『檸檬』は1979年にリリースされた『GOLDEN☆BEST 岩崎宏美』の収録曲としても知られ、多くのファンに親しまれました。その後も、1982年は音楽業界においても多くの印象的な楽曲が生まれた年であり、岩崎宏美のヒット曲の一つとして今なお記憶されています。

日本の音楽史に残るこの一曲は、聴く人にさわやかさやときめきを与える名作として、多くのリスナーに愛され続けています。

もう一度検索