櫛の火

映画『櫛の火』について

『櫛の火』は、古井由吉の同名小説を原作とした1975年公開の日本映画です。監督は神代辰巳が務め、東京映画が製作、東宝が配給しました。この作品は、恋人を亡くした青年が、喪失感から立ち直る過程で年上の女性と出会い、現実を取り戻していく物語です。

あらすじ

主人公の青年は、愛する人を失った深い悲しみに沈んでいます。そんな中、彼は年上の女性と出会い、彼女との関わりを通して、徐々に心の傷を癒していきます。映画は、男女間の複雑な心理描写を通して、人間そのものを深く掘り下げて描いています。

キャスト

主要キャストは以下の通りです。

広部：草刈正雄
弥須子：桃井かおり
柾子：ジャネット八田
あけみ：高橋洋子

その他、河原崎長一郎、名古屋章、岸田森、武士真大、小川順子、大場健二、歌川千恵、芹明香など、個性豊かな俳優陣が脇を固めています。

製作の背景

当初、広部役には萩原健一が候補に挙がっていましたが、神代監督は草刈正雄と会った際、彼の内面に秘めた可能性を感じ、抜擢しました。また、1975年1月には、東京原宿でロケハンが行われ、神代監督、姫田真佐久カメラマンに加え、ジャネット八田、桃井かおり、草刈正雄の3人の主要キャストも参加しました。

作品の特徴

神代監督は、本作を「これまでの日本映画を半歩でも、一歩でも前進させる映画にしたい」と意気込み、ラブシーンが三分の一を占めるなど、大胆な演出がなされています。ジャネット八田や桃井かおりのヌードシーンも話題となりました。

スタッフ

監督：神代辰巳
脚本：大野靖子、神代辰巳
原作：古井由吉
製作：田中収
撮影：姫田真佐久
美術：育野重一
音楽：多賀英典、林哲司
録音：神蔵昇
照明：小島真二
編集：山地早智子
助監督：鈴木一男

公開と評価

1975年4月5日に公開されましたが、興行成績は伸び悩んだとされています。

映像ソフト

過去にはビデオが発売され、2024年7月17日には東宝からDVDが発売予定です。DVDパッケージには、ジャネット八田と草刈正雄の2人が大写しになっています。

同時上映

公開当時は『雨のアムステルダム』との併映が予定されていましたが、『雨のアムステルダム』の公開日が先行したため、実際の併映作品は不明です。

関連情報

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