櫛ヶ峯

櫛ヶ峯（くしがみね）

櫛ヶ峯は、青森県の南八甲田山系に位置する火山であり、この山系の最高峰として知られています。山の名前は「櫛ヶ峰」や「櫛ガ峰」と表記されることもあり、隣接する下岳との関係から「上岳」と呼ばれることもあります。その秀麗な姿から、東北百名山にも選ばれています。

特徴

東側から駒ケ峰方面を望むと、山の形がまるで柘植の櫛のように見えることが、その名の由来となっています。均整のとれたなだらかな三角形の山容が特徴で、裾野には広大な湿原が広がっています。特に6月下旬から7月中旬にかけては、様々な花が咲き乱れ、美しいお花畑が広がります。

しかし、無雪期には登山にかなりの時間を要するため、夏に登山する人よりも、5月中旬頃までのスキーを利用した登山者が多い傾向にあります。

絶景の山頂

山頂からは、[十和田湖]]、岩木山、北八甲田山、そして青森市街を一望できる360度のパノラマが広がります。かつて存在した登山道を下ると、崩れた祠の跡があり、そこには[[1956年]10月に登山道が作られた経緯が刻まれた碑が残っています。

登山道について

櫛ヶ峯は八甲田山系の中でも、特に登山に時間を要する山として知られています。猿倉温泉または御鼻部山山頂駐車場からの登山道が利用可能ですが、この道は昭和8年から9年にかけて作られた車道であり、現在はほとんど利用されていません。長年の植物の侵食や洗掘により、歩行が困難な箇所が多数存在し、雨天時には通行不能となる区間もあります。この道の整備については、様々な意見が存在します。

1977年頃から登山ブームの影響で櫛ヶ峯を訪れる人が急増しました。山の東斜面には雪が残りやすく、雪解け水が豊富なため、イワイチョウ、ヒナザクラ、チングルマなどの高山植物が咲き誇ります。しかし、登山客の増加により、雪田上の登山道が深く削られ、新たな道ができるという悪循環が発生しました。そのため、山頂直下の登山道が新たに尾根筋に作られ、旧登山道は閉鎖され、植生復元が行われました。

櫛ヶ峯は、美しい自然と景観を持つ一方で、登山道の荒廃や環境問題にも直面している山です。

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