東北百名山

東北百名山について

東北百名山は、東北山岳写真家集団によって選定された、東北地方を代表する100の名山です。初版は1990年に発行され、2000年には10座の入れ替えを含む新版が発表されました。本稿では、新版に基づいた東北百名山について解説します。

概要

東北地方の山々は、標高は2,000m程度と比較的低いものの、寒冷な気候のため、標高1,000mから2,000mの範囲で多様な高山植物が見られます。山麓にはブナ林が広がり、標高1,000m付近からはオオシラビソなどの亜高山帯針葉樹林帯が広がります。特に白神山地のブナ林は、日本で初めてユネスコの世界遺産（自然遺産）に登録されました。奥羽山脈には活火山が点在し、豊富な温泉が湧き出ています。

東北地方の山々は、その成り立ちによって大きく二つに分けられます。中央の脊梁をなす奥羽山脈や、それに並行する出羽山地は火山が多く分布していますが、太平洋側の北上高地や阿武隈高地、日本海側の越後山脈は火山が少なく、古い花崗岩から構成されています。日本海側には、新第三紀の火山活動による堆積物であるグリーンタフ（緑色凝灰岩）が分布しています。冬季には、シベリア気団の影響で季節風が強く吹きつけ、特に鳥海山や月山などでは10mを超える積雪が見られます。

出羽三山、岩木山、鳥海山、飯豊山、安達太良山などは、古くから信仰の山として知られ、山岳修験の場として開かれてきました。これらの山々は、実りの神、農耕の神として崇められてきました。また、深田久弥の『日本百名山』には、東北地方の山が15座選ばれています。

東北の主な山地・山脈

恐山山地
津軽山地
奥羽山脈北部
白神山地
出羽山地
太平山地
丁岳山地
北上高地
奥羽山脈中部
真昼山地
神室山地
奥羽山脈南部
阿武隈高地
朝日山地
飯豊山地
越後山脈

これらの山々が、東北百名山を構成しています。

旧版からの変更点

旧版の『東北百名山』に選定されていた10座は、新版では別の山々と入れ替えられました。入れ替えられた山は以下の通りです。

（旧版の山名）

新たに選定された10座は、以下の通りです。

天狗岳
小岳
三ツ石山
竜ヶ森
女神山
牛形山
須金岳
岩岳
博士山
三岩山

その他の情報

東北百名山は、その豊かな自然と多様な景観から、多くの登山者に愛されています。また、山岳信仰の歴史を今に伝える貴重な文化遺産でもあります。四季折々の美しい姿を見せるこれらの山々は、訪れる人々に感動と癒しを与え続けています。

参考文献

（参考文献のリスト）

関連項目

日本の百山一覧
うつくしま百名山
* 東北の山一覧

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