櫻井忠

櫻井忠：波乱万丈の政治家人生

櫻井忠（さくらい ただし、一般には「桜井忠」と表記される、1954年2月3日 - ）は、北海道苫小牧市を地盤とする政治家です。彼は、苫小牧市議会議員を合計6期務める一方で、短期間ながら苫小牧市長も経験しました。彼の政治キャリアは、当選、辞職勧告、わいせつ事件による逮捕、そして政界への復帰という、激動の道のりでした。

生い立ちと初期のキャリア

櫻井氏は北海道室蘭市で生まれ、北海道室蘭東高等学校を経て大東文化大学経済学部を卒業しました。彼は政治の世界に入る前、鳩山由紀夫衆議院議員の秘書を務め、その後、苫小牧市議会議員として2期活動しました。

苫小牧市長としての当選と挫折

2003年、櫻井氏は無所属（自由民主党推薦）として苫小牧市長選挙に出馬しました。「民間委託による官民格差の是正」や「苫小牧市の財政再建の推進」など、101項目に及ぶ公約を掲げ、民主党の支援を受けた現職の鳥越忠行市長を破り、見事初当選を果たしました。

しかし、市長就任後、櫻井氏は公約の一部を撤回し、助役の選任をめぐる対応のまずさから苫小牧市議会の反発を招きました。その結果、2004年3月には市議会から辞職勧告決議を提出され、賛成20票、反対11票で可決されるという厳しい状況に追い込まれました。

わいせつ事件と逮捕、そして失職

2006年5月、櫻井氏は飲食店の女性経営者に対するわいせつ行為の疑惑が報じられ、同年5月31日付けで苫小牧市長を辞職しました。その後、6月22日には準強制わいせつの容疑で逮捕され、同年12月19日、札幌地方裁判所苫小牧支部で懲役1年6ヶ月、執行猶予4年の有罪判決が下されました。この事件は、彼の政治家としてのキャリアに大きな影を落としました。

櫻井氏の辞職を受けて行われた苫小牧市長選挙には、元市長で2003年の市長選で櫻井氏に敗れた鳥越忠行氏と、元衆院議員の岩倉博文氏が出馬しました。自民党、新党大地の推薦を受けた岩倉氏が当選し、苫小牧市政は新たな時代を迎えることとなりました。

政界への復帰と現在

2011年4月、櫻井氏は苫小牧市議会選挙に再出馬し、見事3選を果たしました。その後も、2015年4月に4選、2019年4月に5選、そして2023年4月には6選を果たし、現在も苫小牧市議会議員として活動を続けています。

櫻井忠氏の政治家人生は、華々しい当選から一転して不祥事による失脚、そしてその後の政界復帰という、まさに波乱万丈という言葉がふさわしいものです。彼の経験は、政治の世界の厳しさ、そして人間としての弱さを浮き彫りにしていると言えるでしょう。

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