櫻木晶

櫻木晶（さくらぎ あきら）は、1937年4月11日に和歌山県で生まれた日本の映画美術監督です。日本映画美術監督協会の特別会員でもあります。

1961年に東宝へ美術助手として入社し、映画界でのキャリアをスタートさせました。初期には、黒澤明監督の『椿三十郎』や『影武者』、市川崑監督の『天国と地獄』など、数々の名作に美術助手として参加。これらの作品を通じて、映画美術の基礎を築き、その才能を開花させていきました。

1984年、映画『ゴジラ』で美術デザイナーとして一本立ちを果たします。この作品以降、美術監督として、セットのクオリティを徹底的に追求し、そのクオリティの高さは業界内でも高く評価されるようになりました。1997年4月に東宝を定年退職した後も、フリーランスの美術監督として活躍を続けました。

櫻木晶が美術助手として携わった主な作品には、『椿三十郎』（1962年）、『天国と地獄』（1963年）、『日本一のゴマすり男』（1965年）、『クレージーの大爆発』（1969年）、『日本一のワルノリ男』（1970年）、『日本一のショック男』（1971年）、『影武者』（1980年）、『幸福』（1981年）、『細雪』（1983年）、『さよならジュピター』（1984年）などがあります。これらの作品では、それぞれの映画の世界観を支える重要な役割を果たしました。

美術デザイナーとしての主な作品には、『ゴジラ』（1984年）、『夢』（1990年）、『八つ墓村』（1996年）、『モスラ3 キングギドラ来襲』（1998年）、『新選組』（2000年）、『蟬しぐれ』（2005年）、『犬神家の一族』（2006年）などがあります。これらの作品では、その卓越した美術センスを発揮し、映画の魅力を一層引き立てました。

また、櫻木晶は東武ワールドスクウェアの施設にも関わっています。映画の美術で培った技術が、別の分野でも活かされていることが分かります。

その長年の映画美術への貢献が認められ、数々の賞を受賞しています。1990年には、第44回日本映画美術賞と第14回日本アカデミー賞優秀美術賞を、1996年には、第42回アジア太平洋映画祭最優秀美術賞、第50回日本映画美術賞、第20回日本アカデミー賞優秀美術賞を受賞しました。さらに2005年には、第5回映像技術賞と第29回日本アカデミー賞優秀美術賞を受賞しています。

櫻木晶は、日本映画界において、その才能と実績で確固たる地位を築いた映画美術監督の一人です。彼の作品は、今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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