クレージーの大爆発

『クレージーの大爆発』の詳細

『クレージーの大爆発』は、1969年にリリースされた日本の映画であり、クレージーキャッツが主演を務めました。これは『クレージー作戦シリーズ』の第13作にあたります。映画はカラーでシネマスコープ形式で撮影され、同時上映にはザ・ドリフターズによる『ドリフターズですよ!全員突撃』がありました。この作品は、本格的な特撮技術を用いたSFコメディとして、多くの観客に親しまれました。

概要

本作は『大冒険』の流れを引き継ぎ、特撮を駆使したユーモアあふれる構成が特徴です。特筆すべきは、クレージーキャッツのメンバー全員での歌唱シーンが含まれている最後の作品という点です。また、特技監督を務めた中野昭慶のデビュー作でもあります。映画には、当時の社会問題や出来事、具体的には三億円事件やアポロ11号の月面着陸といった歴史的な出来事が取り入れられています。また、水爆を搭載した航空機の発進シーンには、実物大のモデルが使用されていることも見逃せません。

ストーリー

物語は、三億円事件の容疑者である大木健太郎が中心です。彼は日々、競馬場で大金を使い果たしていました。そんな折、大木の前に毛利エリ子という女性が現れ、三億円の強奪現場を収めたフィルムを見せます。彼女は秘密組織GIBの指令を受けており、大木に金塊を盗むよう仕向けます。大木は宇宙真丸教の神託に従い、6人の仲間を集めて後楽園球場を借り、巨人と阪神の試合中に作戦会議を開催します。映画撮影の名目で金庫までのトンネルを掘り、見事に金塊を手に入れます。

その後、金塊を載せた輸送機に乗り込んだ彼らは、GIB本部に向かいますが、その輸送機にはなんと水爆が搭載されているという驚くべき事実が明らかになります。そして、輸送機は富士山の乱気流に巻き込まれ、彼らの運命はどうなるのか。

キャスト

• - 大木健太郎：植木等
• - 立花五郎：ハナ肇
• - 中谷宏：谷啓
• - 赤塚：犬塚弘
• - 土井：桜井センリ
• - 三橋：石橋エータロー
• - 松田：安田伸
• - 毛利エリ子（X14号）：松岡きっこ
• - 立花房子：悠木千帆（樹木希林）
• - 自衛隊隊長：石田茂樹
• - 総理：藤田まこと

スタッフ

本作品は東宝と渡辺プロの共同制作で、古澤憲吾が監督を務め、脚本も田波靖男が手掛けています。撮影には永井仙吉、美術には小川一男、音楽には萩原哲晶が参加するなど、多くの優れたスタッフが名を連ねています。

音楽

挿入歌には「いっぽんどっこの唄」や「恋はそよ風」などが含まれ、特に「悪気じゃないんだ」や「キンキラキン」ではクレージーキャッツの魅力が存分に発揮されています。若干異なる歌詞によって特に注目を浴びたアカペラのパフォーマンスは、映画のエンターテインメント性を一層引き立てました。

この映画は、特撮技術とユーモアを融合させた作品であり、観る者を楽しませ、同時に当時の社会を反映させる深いメッセージも持っています。

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