欠格

欠格（けっかく）の概要

欠格とは、法律や憲法で規定される資格が不足している状態を指します。この不足の原因は、特定の事由によって生じるもので、その事由は「欠格事由」と呼ばれます。

欠格事由の分類

欠格事由は、さらに二つに分類されます。それは「絶対的欠格事由」と「相対的欠格事由」です。

• - 絶対的欠格事由：この事由に該当する場合は、即座に欠格となります。具体的には、刑罰を受けた場合や、民事的な問題がある場合が含まれます。

• - 相対的欠格事由：こちらは欠格に該当するが、状況に応じて資格が認められる場合を指します。例えば、健康状態が理由で職務に支障がない場合などです。

欠格事由に関する差別的側面

近年、特に障害に関連する欠格事由については、差別助長の懸念が高まっています。障害を理由に欠格とされることが多く、障害者団体や支援弁護士などからは、制度の見直しを求める声が上がっています。これに応じ、日本政府は「障害者に係る欠格条項の見直し」に着手し、63の制度についての変更を進めてきました。

政府の対応と法整備

2019年には法改正が行われ、「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化を図るための関係法律の整備に関する法律」が公布されました。この法律により、成年被後見人の人権保護が強化され、無条件に職務から排除する欠格条項は見直され、個別審査が行われる仕組みが導入されました。

欠格条項の具体例

国家公務員の場合

国家公務員法では、特定の欠格事由が定められています。具体的には、禁錮以上の刑に処された場合、懲戒解雇された場合、または暴力行為などを働いた場合には、その地位を失うことになります。これに類似した基準が、特別職や他の公務員の職にも適用されます。

地方公務員の欠格事由

地方公務員については、地方公務員法に基づき、禁錮以上の刑に処された場合や懲戒免職が適用された場合は、職を失うことになります。成人被後見人に関しても、同様に条項が見直されています。

企業の役員

株式会社の取締役に関する規定も存在し、取締役に選任された場合、欠格事由に該当すればその職は無効になります。これは会社法に基づいており、具体的には破産手続きの開始などが含まれます。

国家資格に関する欠格事由

国家資格においても、特定の欠格事由が存在し、これは特定の犯罪を犯した場合などが含まれます。法律の整備により、成年被後見人に関する欠格条項も削除され、今後は個別に審査する制度へとシフトしています。

結論

欠格という概念は、憲法や法律において重要な役割を果たしており、社会の変化に応じて見直されるべき部分も多く存在します。特に障害者に関する欠格条項の見直しは、今後の法制度において注目されるテーマです。その背景には、より公平で人権を重視した社会の実現があると言えます。

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