次元潜航艇

次元潜航艇／次元潜航艦UX-01：亜空間を航行するガミラスの奇襲兵器

「宇宙戦艦ヤマトIII」の次元潜航艇

ガルマン・ガミラス帝国が保有する特殊戦闘艦艇、次元潜航艇。その姿は、直方体に似たシンプルな船体に、艦首の大きな開口部と鮮やかな赤色のアクセントが特徴的です。潜水艦を思わせるそのデザインは、現実世界のタイフーン型原子力潜水艦のような司令塔を持ち、レールで移動する機構も備えています。全長200メートル近いその巨体からは想像もつかない、高い隠密性と攻撃力を誇ります。

驚異の亜空間潜航能力

次元潜航艇最大の特長は、亜空間断層発振装置による亜空間潜航能力です。周囲に亜空間断層を発生させ、その中に潜むことで敵に気付かれずに接近、奇襲攻撃を仕掛けることができます。まるで潜水艦が海中を航行するように、宇宙空間を自由に動き回り、敵を翻弄します。亜空間からの視認には潜望鏡を使用。通常の手法では発見が困難ですが、亜空間ソナーなど特殊な探知装置や波動爆雷は有効です。通常空間を航行する際には、艦体に通常空間と亜空間の境目である波のような模様を纏います。

強力な武装と波動エンジン

武装は、艦首の亜空間魚雷発射管6門、前部上甲板の多連装ミサイルランチャー2基、艦橋構造物前部には格納式連装砲塔2基を備えています。劇中では使用されていませんでしたが、強力な攻撃力を誇ることは間違いありません。また、第14話で搭載機関が波動エンジンであることが明かされ、2基の推進ノズルを持つことが判明しています。

開発秘話：デスラー潜水艦から次元潜航艇へ

初期案では「デスラー潜水艦」という名称でしたが、その後「多次元潜航艇」を経て、最終的に「次元潜航艇」となりました。板橋克己氏によるデザインに加え、もとのりゆき氏によるデザイン案も存在したと言われています。さらに、次元潜航艇母艦というアイデアも存在しており、母艦によって運搬されるというコンセプトも検討されていました。

劇中での活躍

第14話から16話に登場。第14話では、フラーケン率いる10隻の次元潜航艇がヤマトを奇襲攻撃します。亜空間魚雷による一方的な攻撃でヤマトに損害を与えますが、土門竜介の機転により波動爆雷攻撃を受け、一撃で撃沈されます。第15話では、巧妙な陽動でヤマトをおびき寄せ、捕獲に成功します。第16話では、ガルマン・ガミラス本星の軍事パレードに登場しています。

「宇宙戦艦ヤマト2199」の次元潜航艦UX-01

『宇宙戦艦ヤマト2199』に登場する次元潜航艦UX-01は、ヴォルフ・フラーケン艦長が指揮するガミラス艦です。デザインは石津泰志氏、艦内デザインは山根公利氏。通常空間だけでなく、異次元空間への航行も可能です。通常空間では波動推進「ゲシュ＝タム機関」、次元潜航時は亜空間推進「ゲシュ＝ヴァール機関」を使用します。多次元位相バラストタンクによりエネルギー流出を抑え、艦体の浮上・沈降を制御します。セイルには次元潜望鏡や索敵プローブを備え、通常空間に露出させて周辺を探査します。

Uボートを彷彿とさせるデザインと高い隠密性

Uボートをモチーフにしたデザインは、水上船型をしており、艦首には亜空間魚雷発射管、艦尾にはゲシュ＝タム機関とゲシュ＝ヴァール機関のノズルを備えています。亜空間魚雷は次元境界面を突破する必要があり、ゲシュ＝ヴァール機関を小型化した亜空間推進タービンを搭載しています。異次元空間内では泡状の軌跡を残しながら移動し、通常空間に出るとブースターに点火して目標に急接近します。

開発の苦労と総統直轄の特務艦

開発初期は異次元空間からの浮上が困難で、多くの試作艦が行方不明となり、「異次元の棺桶」と揶揄されました。劇中ではUX-01のみが就役しており、開発費の高額さから総統直轄の特務艦となっています。

劇中での活躍

第12話から登場。ヤマトを奇襲しますが、原始星恒星系に隠蔽されます。第13話ではデコイを用いた陽動でヤマトの位置を突き止めますが、コスモシーガルによる索敵プローブの破壊で敗北します。第14話ではデスラー保護任務に就きます。七色星団海戦ではユリーシャ（雪）拉致に成功し、第21話で任務を終えます。デスラー政権崩壊後はディッツの指揮下に入り、ゲールを逮捕する活躍を見せます。

「宇宙戦艦ヤマト2202」と「宇宙戦艦ヤマト2205」での登場

「宇宙戦艦ヤマト2202」ではUX-01に加え、UX-02～UX-04が登場。「宇宙戦艦ヤマト2205」では、4隻がガルマン星奪取作戦から全編を通して活躍します。

もう一度検索