次期戦闘機 (F-2後継機)

次期戦闘機（F-3）について

次期戦闘機（F-3）は、航空自衛隊が保有するF-2戦闘機の後継機として、その開発が確定しました。2035年にF-2の退役が予定されている中で、この新型機は2018年に策定された31中期防に基づき開発が進められています。2020年には三菱重工が開発の中心となることが決定し、以降本プロジェクトの進行が加速しています。

特に注目すべきは、2022年12月に発表されたグローバル戦闘航空プログラム（GCAP）への参加です。これは日本がイギリス、イタリアとともに共同で戦闘機を開発するもので、各国の技術やリソースを結集し、最先端の航空機を生み出そうとする試みです。

開発の背景と必要性

日本の防空識別圏は他国に比べて広範囲であり、特に中国やロシアなどの軍事的脅威に対抗するためには、新たな戦闘機の必要性が増しています。現行機種は主にアメリカから輸入された機体を国内でライセンス製造する形で運用されていますが、今後は独自の技術を基にした新しい機体の開発が求められています。

これにより、安全保障政策の観点からも、自主的かつ持続可能な技術と産業の維持が重要であり、新型機の国産開発が議論されています。また、複数の機体を併用することで、より柔軟な運用体制を確保することも狙っています。

コンセプトモデル「i3 FIGHTER」

2010年から本格的な技術開発が始まり、その中で「i3 FIGHTER」と呼ばれる将来型戦闘機のコンセプトモデルが提唱されました。このモデルには、次世代のレーダー技術、優れたステルス性能、高運動性、電子戦に強い飛行制御などが含まれ、2030年代から2040年代にかけての実現が期待されています。特に、2030年頃にはクラウド技術を駆使し、ネットワーク化された戦闘において核となる存在を目指しています。

技術開発の進捗

開発過程では多くの要素技術が研究され、ステルス性を高めるための技術や高性能エンジン、アビオニクスの高度化が進められています。例えば、X-2というステルス実験機の使用によって、ステルス技術や機動性の検証が行われ、機体構造やエンジン性能の向上が図られています。また、エンジン技術においては、高出力でスリムな設計の管理が行われ、安全性や機動性の確保が追求されています。

国際協力と共同開発の動き

国際的な協力も重要な要素で、ロッキード・マーティンなどアメリカ企業との連携が模索されました。だが、2022年に入るとBAEシステムズとの協力へシフトし、共同開発の方向性が強固になりました。これにより、共通プラットフォームの開発が進む見込みです。

日本、イギリス、イタリアの共同開発

2022年12月には、日英伊の3国による戦闘機の共同開発が正式に発表され、具体的なプロジェクトの進行が始まります。各国はそれぞれの特性を活かしつつ、共通機種の設計と製造に取り組みます。初号機の生産予定は2030年、最初の配備は2035年を目指しています。

次期戦闘機は、航空自衛隊の防衛能力を飛躍的に向上させるものと期待されています。非対称戦、ネットワーク戦に対応した新たな戦闘機の開発は、日本の空の安全を守る重要なカギを握っていると言えるでしょう。

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