次浦八郎常盛館

次浦八郎常盛館について

次浦八郎常盛館（つぎうらはちろうつねもりやかた）は、千葉県香取郡多古町次浦に所在する日本の城館跡です。この地は、次浦集落の西端に位置し、かつて次浦常盛の館があったと伝えられています。次浦常盛に関する詳細な記録は少ないものの、「神代本千葉系図」によると、彼は平常兼の弟である粟飯原家常の四男とされています。しかし、その出生や詳細な事績については、詳しいことはわかっていません。

歴史

次浦氏以前には、藤原親政という人物がこの地に居館を構えていたという伝承も残っています。藤原親政は「千田親政」とも呼ばれ、千田荘の領主として下総国に下向してきたとされています。彼の居館は、内山（現在の匝瑳市）と次浦にあったと伝えられており、次浦八郎常盛館もその一つであった可能性があります。

次浦には、集落の北側にも「次浦城」と呼ばれる城館が存在します。この次浦城は、現地に残る土塁などの遺構から、戦国時代に築かれたものと推測されています。このことから、次浦氏の初期の居館が次浦八郎常盛館であり、その後、いずれかの時期に次浦城を築いて居館を移したという説も考えられます。つまり、次浦八郎常盛館は、次浦氏の初期の拠点として重要な役割を果たしていた可能性があります。

構造

次浦八郎常盛館は、周囲の地形を削り出して造成されたと考えられ、雛壇状の平場が残っています。この平場は、館の中心部や居住スペースとして利用されていたと推測されます。館跡の近くには、「矢指塚」と呼ばれる塚があり、この塚は次浦常盛が後三年の役から帰還した際に、戦場で使用した矢を埋めたという説と、源義家が前九年の役から帰還した際に矢を埋めたという説の2つが伝えられています。この伝承は、この地が歴史的に重要な場所であったことを示唆しています。

アクセス

次浦八郎常盛館へは、以下の交通手段でアクセスできます。

JR佐原駅 から JRバス関東 に乗り、「次浦」バス停で下車後、徒歩約20分。
多古台バスターミナル から JRバス関東 に乗り、「次浦」バス停で下車後、徒歩約20分。

次浦八郎常盛館は、中世の歴史とロマンを感じられる場所です。この機会にぜひ訪れてみてください。

まとめ

次浦八郎常盛館は、千葉県多古町に位置する、中世の館跡です。次浦常盛という人物の館であったと伝えられ、その歴史は深く、多くの謎に包まれています。周辺には、次浦城や矢指塚などの史跡も点在しており、歴史好きの方にとっては非常に興味深い場所といえるでしょう。この解説を通じて、次浦八郎常盛館の魅力の一端を感じていただければ幸いです。

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