藤原親政

藤原親政は、平安時代末期に活躍した貴族であり、下総大夫である藤原親盛の子として生まれました。彼は、皇嘉門院判官代として中央での職務をこなし、皇嘉門院別当を補佐する一方で、祖父である藤原親通と伯父である藤原親方が下総守を務めていた時代に獲得した所領を父の親盛から引き継ぎました。

その結果、親政は千田荘の領主として、下総国匝瑳郡を拠点とし、坂東平氏や佐竹氏といった有力な武士団を率いる立場となりました。彼の居館としては、匝瑳北条荘の内山館と千田荘の次浦館の二か所が知られています。

また、親政は、保元の乱や平治の乱で勝利を収め、勢力を拡大した平家（伊勢平氏）とも深い姻戚関係にありました。具体的には、平忠盛の婿であり、平資盛の伯父にあたるという二重のつながりがありました。

治承4年（1180年）、源頼朝が石橋山の戦いに敗れて房総へ逃れた際、親政の運命は大きく変わります。頼朝の挙兵に呼応した千葉氏によって下総目代が討たれると、親政は千余騎の兵を率いて千葉荘を攻撃しました。しかし、同年9月14日、千葉常胤の孫である成胤によって生け捕りにされてしまいます。

その後、9月17日には、下総国府に入った源頼朝の前に引き出されたとされていますが、その後の親政の動向については、詳しい記録が残っておらず、不明な点が多いのが現状です。


親政は、貴族でありながら地方の武士団を率いるという、当時の社会構造を象徴するような人物であったと言えるでしょう。彼の生涯は、平安末期の動乱期における地方豪族と中央政権との複雑な関係を映し出しており、歴史を考察する上で重要な事例と言えます。




参考文献

福田豊彦・関幸彦 編 『源平合戦事典』吉川弘文館、2006年 ISBN 4-642-01435-7

関連項目

結城浜の戦い

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