欽也のそっくりベスト10

『欽也のそっくりベスト10』：愛川欽也が贈る、そっくりさんの歌合戦

1981年、TBS系列で放送されたバラエティ番組『欽也のそっくりベスト10』。愛川欽也を司会に迎え、そっくりさんたちが歌の腕前を競う、ユニークな勝ち抜き式歌合戦でした。毎週日曜日の正午から1時間、視聴者を熱狂の渦に巻き込みました。

番組の華：そっくりさんたちの熱唱

番組の最大の魅力は、個性豊かなそっくりさんたちの競演です。顔まね、ものまね、あらゆる才能を持った挑戦者たちが、10組ずつ登場。歌声だけでなく、パフォーマンスやキャラクターも審査の対象となり、観客を沸かせました。挑戦者は一般参加者から芸能人まで幅広く、中にはアメリカ人など、国境を越えた参加者もいました。

挑戦者は、持ち歌や得意のものまねでパフォーマンスを披露。観客審査員50名と、5人の専門審査員による厳正な審査によって、点数がつけられました。観客審査員は「良い」と思えばボタンを押すシステムで、まさに視聴者参加型の番組と言えるでしょう。

白熱のチャンピオン争奪戦

番組のルールはシンプルながら白熱。最初の挑戦者は、まず歌を披露し、審査員の採点を受けます。その得点が基準となり、その後登場する挑戦者たちは、チャンピオンの得点を上回ればチャンピオンの座を獲得、下回れば脱落という、まさに勝ち抜き戦です。チャンピオンの座をかけた戦いは、手に汗握る展開となりました。同点の場合は、2人でチャンピオン席に座るという、珍しいルールもありました。

10組の挑戦者が歌い終え、最後までチャンピオンの座を守り抜いた挑戦者が優勝。優勝者には30万円相当の賞品に加え、獲得点数から賞品代金を差し引いた金額が賞金として贈られました。例えば、90点獲得なら90万円から30万円を引いた60万円が優勝賞金となります。100万円を目指し、挑戦者たちは歌声とパフォーマンスで観客を魅了しました。

面白い審査員たちと個性的なスタッフ陣

番組を盛り上げたのは、挑戦者たちだけではありません。審査員も個性的で、観客から選ばれた50名に加え、宮川泰氏を審査委員長に、若人あきら氏（現・我修院達也氏）、滝田ゆう氏、服部克久氏、天地総子氏など、豪華な顔ぶれが審査を担当しました。

そして、忘れてならないのが、愛川欽也、酒井ゆきえ、キンコンマン、タモリそっくりのタレント「タモソ」ら、個性豊かな司会陣です。タモソは、番組オリジナルの楽器「チューブラーベル」の叩き役も務め、番組に華を添えました。さらに、愛川欽也の顔を模した着ぐるみキャラクター「まねキン」も登場し、視聴者に親しまれました。

スタッフも番組を支える重要な存在です。制作は青柳脩氏、プロデューサーは小松敬氏、演出は大場昴一氏、斉藤薫氏、鈴木宏義氏、構成は奥山侊伸氏、沢口義明氏、つかさけんじ氏、音楽は平間厳一氏と、そうそうたるメンバーが参加していました。

『ザ・ベストテン』を彷彿とさせるランキング形式

番組は、TBS系列で放送されていた人気番組『ザ・ベストテン』を彷彿とさせるランキング形式を採用。ベスト10形式で発表される、その順位にドキドキしながら番組を楽しんだ視聴者も多いはずです。

『欽也のそっくりベスト10』は、そっくりさんたちの歌声と、白熱のチャンピオン争奪戦、そして個性豊かな出演者とスタッフによって彩られた、忘れられないバラエティ番組でした。 当時を知る人にとっては、懐かしい思い出と共に、再びその魅力を味わえる番組と言えるでしょう。収録は東京都新宿区の日本青年館で行われていたことも、番組を語る上で欠かせない要素です。当時、会場に足を運んだ視聴者も多かったのではないでしょうか。

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