歌の散歩道

歌の散歩道（NHKラジオ第1）

『歌の散歩道』（うたのさんぽみち）は、NHKラジオ第1放送で2008年3月31日から2013年3月21日まで、平日午後に放送されていた音楽番組です。

番組の成り立ち

この番組は、1975年4月から約33年間にわたって親しまれてきた前身番組『ひるの散歩道』が、2008年度に行われたNHKラジオ第1放送の大規模な番組改編に伴い終了したことを受けて、その後継番組として新設されました。前番組は正午過ぎの帯で放送されていましたが、『歌の散歩道』は放送時間を午後の時間帯へと変更し、新たな内容でスタートしました。

放送時間と初期の形態

放送時間は、毎週月曜日から金曜日までの平日14時5分から14時35分までの30分間でした。番組開始当初から2011年度にかけては、原則として東京・渋谷にあるNHKスタジオパークのオープンスタジオからの公開生放送として届けられました。これは、同じスタジオから放送されていたNHK総合テレビの『スタジオパークからこんにちは』に続いて放送されたため、両番組の間に観客やセットを入れ替える時間が設けられていました。ただし、スタジオパークが休館の日や、その他の都合で公開放送が実施できない場合は、ラジオセンターの132スタジオから非公開で放送されるか、事前に収録されたものが放送されました。

放送形態の変更とシリーズの終焉

2012年度の編成見直しにより、『スタジオパークからこんにちは』の終了時刻が早まったことで、本番組の公開生放送に必要な準備時間が確保できなくなりました。これに伴い、本番組はスタジオパークからの公開生放送を取りやめ、再びラジオセンターの132スタジオからの非公開放送を主体とする形式に変更されました。そして、2013年3月21日をもって番組は最終回を迎えました。この番組の終了により、『ひるの散歩道』から続いてきた「散歩道」と名の付くラジオシリーズは、合計38年の歴史に幕を降ろしました。番組終了後のこの放送枠は、新たに始まった『午後のまりやーじゅ』に引き継がれています。

海外への放送と祝日対応

2009年4月3日からは、NHKワールド・ラジオ日本でも国内との同時放送が始まりました。これにより、『ひるの散歩道』の終了以来およそ1年ぶりに、海外のリスナーにも日本の音楽番組が届けられるようになりました。祝日には、通常放送は原則として休止となりましたが、代わりに13時台に「ホリデーライブinスタパステージ」といった拡大版が放送されることがあり、これはスタジオパークやふれあいホールからの公開放送として行われました。祝日版がラジオ日本で放送される場合、短波放送では番組途中からの飛び乗りとなる時間帯がありました。また、国会中継や高校野球中継がある場合も番組が休止されることがありましたが、事前に予定されていたスタジオパークでの公開収録は実施され、後日放送されることもありました。

地域による対応と公開収録

一部のNHK地方放送局では、地域情報番組を優先するために本番組が差し替えられるケースがありました。例えば、旭川局、函館局、帯広局などでは、特定の曜日や月に独自の番組が放送され、本番組が聴取できない地域がありました。

スタジオパークでの公開生放送（2011年度まで）への参加には、当日配布される整理券が必要でした。祝日に行われる「ホリデーライブ」や、年に数回地方都市で実施された公開収録は継続され、地方開催の場合は事前にハガキやメールでの応募による抽選で参加者が決定されました。地方収録では、主に演歌歌手などがゲストとして招かれ、歌やトークが披露されました。

歴代司会者

番組の司会は曜日ごとに担当者が固定されていました。月曜は元アナウンサーの宮川泰夫、木曜は日本語センター所属の加治章、金曜は元アナウンサーの葛西聖司が担当しました。火曜と水曜については、週替わりの司会者が務めました。地方での公開収録の際には、開催地のNHK放送局の現役アナウンサーが司会を務めることが通例でした。過去には金子辰雄も司会を務めていましたが、2010年度をもって番組を離れています。

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